テレビ朝日 様
目次
企業情報
採用までの流れ
① IPプロトコル伝送比較テスト
② Haivision Hubデモテスト
③ IP伝送採用までの社内検討
④ 全英オープン実運用開始
今後の展望
関連製品
企業情報
採用までの流れ
① IPプロトコル伝送比較テスト
PALTEK
IPプロトコル伝送比較テストを行うきっかけを教えてください。
テレビ朝日ご担当者様
衛星伝送(SNG)や光ファイバーなど様々な映像伝送方式があるなか、コスト削減が可能な新たな伝送方式を検討していました。IP映像伝送に関しても調べるようになり、いろんなプロトコルを試してみたいという思いが強くなりました。
PALTEK
テストは、どのように行ったのでしょうか?
テレビ朝日ご担当者様
2020年9月に、米国→テレビ朝日(本社・日本)に向けて、一般インターネット回線を用いた同一ネットワークによる伝送を行い、比較・検証をしました。ここでは、SRTを含めた様々なプロトコルの試験を行いました。
PALTEK
SRTプロトコルのテスト結果は、いかがでしたか?
左右にスクロールしてご覧ください
検証
設定値
エラー訂正
レイテンシ
1
TSビットレート:10Mbps 伝送到達遅延:3.0-3.5秒
〇
1400ms
2
TSビットレート:15Mbps 伝送到達遅延:2.0秒
〇
1000ms
3
TSビットレート:20Mbps 伝送到達遅延:1.0-1.5秒
〇
300ms
テレビ朝日ご担当者様
ターゲットにしていたのは、HEVCの15Mbpsでした。海外中継はH.264 30Mbps程度のビットレートで対応することが多かったのですが、HEVC(H.265)を使用したので、半分くらいのビットレートでいけるのでは?という期待がありました。 SRTで試してみるとパケロスを復旧し、「高画質にしても、低レイテンシにしても強い」 ことがわかりました。
PALTEK
この結果からSRTプロトコルに期待できることは何でしょうか?
テレビ朝日ご担当者様
大きくは、コスト削減だと思います。海外中継の場合、従来は専用線や衛星回線などを用いて本回線・予備回線を構築してきました。中継場所にもよりますが、衛星回線利用時は15分単位で回線費に数万円以上かかることもあります。また、中継車を現地に用意すると車両代と衛星使用で数百万円がかかることがありました。
② Haivision Hubデモテスト
PALTEK
Haivision Hubもお試しいただきましたね?
Haivision Hub
クラウドベースのネットワークルーティングサービス
ネットワークの可視化
マルチプロトコル対応
YouTubeやFacebookへのアップロード
Azureクラウドを使用した安定した接続
安価にストリーミングを実現
※ Haivision Hubは2023年12月でサービス終了となっております。他製品でもクラウド配信のサポートが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
テレビ朝日ご担当者様
テレビ朝日本社からHaivision Hub(East US Region)に接続し送り返しテストを実施しました。15Mbps・200msのレイテンシを設定し安定した伝送を実施することができました。
テレビ朝日ご担当者様
Hubの中で多プラットフォーム化(多チャンネル化)ができる点がよいと思いました。インターネットの環境させ整えておけば、使えそうという感触です。また、Haivision Hubはパッケージとして成立しており、GUIも整っているので使い勝手がよいと感じました。
③ IP伝送採用までの社内検討
PALTEK
2021年の全英オープンでは、Haivision Makito X4(エンコーダ/デコーダ)とHaivision Hubを使用したIP伝送の構成で実運用が行われました。衛星回線からの切替となりますが、採用にはどうような決断がありましたか?
テレビ朝日ご担当者様
コロナ禍の渡航制限で大人数での渡英ができませんでした。最小限のリソースで中継を行うには、IPでの構成が最適だったため、実運用に踏み切ました。ただし、そのためには、インターネット網を強化する必要があったので、4か月前から現地IP回線の準備に動いていました。
④ 全英オープン実運用開始
テレビ朝日ご担当者様
構成としては、ワイヤレスカメラ映像3回線と国際映像予備1回線の合計4回線を使用しました。ワイヤレスカメラでプレイヤーを追いかけ、それをHaivision Hubに飛ばしました。 4回線を揃えるために、デコーダ側で2.6秒程度バッファを入れています。各ワイヤレスカメラは、NTPサーバーからタイムコードを入手し、マルチシンクできるように試しました。
PALTEK
IPでの伝送で何か不都合はありましたか?
テレビ朝日ご担当者様
特にパケットロスもなく、安定した中継ができました。今回は、国際映像回線との同期のために多めのバッファを入れましたが、実際はもう1秒程度下げることもできたと思います。 今回は、ゴルフ中継だったため各回線のディレイやシンクはそこまで気になりませんが、1chのみ不通からの復帰後に、同期されない状況が発生しておりました。こちらは改善点といえそうです。
PALTEK
そのような現象がおこったのですね。引継ぎ、マルチシンク設定に関してもPALTEKでサポートさせていただきます。 Haivision Hubは今回どのように役立ちましたか?
テレビ朝日ご担当者様
4か月前から準備したとしても、現地のインストール環境がどれだけ機能してくれるかは、行ってみないとわからないこともあります。Haivision Hubを使用すれば、UK South RegionからEast Japan Regionの間は安定的に接続することができるため、安心要素になります。あとは、国内のインターネットだけ担保すればよいですからね。
今後の展望
PALTEK
放送業界でもIP化は一つのキーワードになっていると思います。御社での取り組みを教えてください。
テレビ朝日ご担当者様
社内では、クラウドを使用した映像制作プロダクションを行いたいという動きが出てきています。スイッチングや編集を今後クラウド上で行っていきたいです。
PALTEK
今回ご購入いただいたHaivision製 MakitoX4エンコーダ/デコーダまたHaivision Hubは今度どのように活躍しそうでしょうか?
テレビ朝日ご担当者様
クラウドへの入力ソースしてHaivision製品は活躍しそうです。特に、配信系の番組において、現場からHaivison MakitoX4でHaivision Hubへ直接打ち上げて使用したいです。 Haivision Hubは、ほぼ完成されたGUIでとても使い勝手がよいです。今後、他のプロダクションソフトに連携されたらよいなと期待しています。
採用製品
Makito X4ビデオエンコーダ/デコーダ
公共のインターネットとプライベートネットワーク上でのライブ低遅延ストリーミング用に設計されており、衛星や専用のファイバーに代わる安全で柔軟性があり、コスト効率の高い代替手段を放送局に提供します。 4K HEVCならびにHD H.264を実現する超低遅延エンコーダ/デコーダ。
Haivision HUB(SRT Hub)
クラウドベースのネットワークルーティングサービス。世界にまたがる21のregionから自動で最適なデータセンターを経由し、最適なルート設定を行います。アプリ上では、ネットワークルートを可視化させ、ユーザーフレンドリーで使い勝手のよいシステムです。
※ Haivision Hubは2023年12月でサービス終了となっております。他製品でもクラウド配信のサポートが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。