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Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成の映像をMakito X4 デコーダで受信してみた

公開日:2025/2/18 更新日:2026/9/3

2026/9/3 追検証結果を掲載しました。Makito X4はFW ver1.7.1のリリースによりStarlink経由でSRTストリームを受信した際に発生していた映像アーティファクトが修正されました​。 FWアップデート前と後、どの程度検証内容に差異が出たか、確認をしてみました!

IPを使った高品質の映像をリアルタイムで配信する際に、ネットワークの途絶えは致命的な問題となります。有線のインターネット環境を構築できる環境であれば安定性はある程度確保されるかもしれません。しかしながら、インターネット回線のない屋外や有線インターネット回線が滞ってしまった災害時ではいかがでしょうか?

本記事では、衛星回線Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成で、映像ソースをSRTプロトコルでMakito X4デコーダで受信した際の動作の検証を行います。

検証

検証に使用した機材

Starlink

StarlinkはSpaceXによって提供されている衛星インターネットサービスです。地球低軌道に多数の小型衛星を配備することで、高速で広い地域にわたるインターネット接続を提供します。

← Starlink
遠隔地や地方であっても高速で低遅延のブロードバンド インターネットが可能

​Haivision  SRT Gateway

​Haivision  SRT Gateway

ネットワークブリッジシステム​

Makito X4 ビデオエンコーダ

​Haivision  Makito X4 エンコーダ​

4K HEVCならびにH.264を実現する
超低遅延エンコーダ​

Makito X4 ビデオデコーダ

​Haivision  Makito X4 デコーダ

4K HEVCならびにH.264を実現する
超低遅延デコーダ​

構成

構成図
動画フォーマット:

AVC / H.264
1920 x 1080p 59.94
CBR
レイテンシ500msec

 

 

画像1 画像2

検証では、Makito X4 エンコーダからの映像を使用してクラウド版のHaivision SRT Gatewayを経由してStarlinkに接続しています。StarlinkはYAMAHAのRTX830を2台使いセグメントを分けてMakito X4 デコーダにPath Redundancy(Active-Active)構成で接続するように設定しています。

以下の動画フォーマットに対してビットレートを6M, 10M, 18Mの3パターンに設定して約10分間の映像伝送を行います。その際のSkipped Packetsの数をカウントします。

検証結果

下記は、発生したSkipped Packetの数を表示しています。

SRT Path1 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 1,236 1,986 2,967 3,471 3,796
10M 60 161 1,034 2,614 4,484
18M 2,496 2,567 2,581 2,920 5,114

 

SRT Path2 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 215 444 1,189 1,977 2,119
10M 4 19 543 1,843 2,304
18M 836 1,388 1,391 3,263 5,890

*Skipped packetは、デコーダからの再送要求後にも救いきれなかったパケット数を表します。

検証開始直後に6Mの方が10MよりもSkippedが多いのはStarlink伝送路上にて帯域が落ちたり途切れたりするタイミングが異なっているためです。

MakitoX4デコーダのStatistics画面にてストリームの詳細を確認することが可能です。

構成図

考察

ビットレートが6M, 10Mの場合、片方のPathの接続が切れたタイミングでもう片方のPathがカバーするため大きな映像の乱れはありませんでした。​ 映像の乱れはストリームを流した直後に発生していましたが、 5分を過ぎた辺りからはほぼほぼ発生することはありませんでした。 18Mになると両Pathが互いにカバーするためSkipped Packetsの数は増えましたが、大きな映像の乱れはありませんでした。

Starlinkを2台使ったPath Redundancy構成での運用も本番では十分に活用できることが分かりました。​

今回はMakito X4 デコーダで映像を受信する検証でしたが、次の機会があればMakito X4 エンコーダを使いカメラ映像を送る検証を行いたいと思います。

2026/9 追記

Makito X4 Decoder 1.7.1では Starlink経由でSRTストリームを受信した際に発生していた映像アーティファクトが修正されました​。
そこで、前回の検証と同じ構成でどれくらい改善されたのかを検証してみたいと思います。

*Ver1.7.1リリース:2026年5月

検証概要

実施日: 2026年7月28日(火)​
時間: 午前10時~午後12時​
場所: レスタービルディング屋上​

検証結果

SRT Path1 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 248 (0)​ 352 (0)​ 613 (0)​ 777 (0)​ 901 (0)​
10M 270 (0)​ 285 (0)​ 1,531 (17)​ 1,628 (17)​ 2,989 (0)​
18M 481 (0)​ 574 (0)​ 1,840 (0) 3,005 (0) 4,127 (0)​

※ () 内の数字は、その時点のSkipped packets数

SRT Path2 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 149 (0)​ 304 (0)​ 1,822 (48)​ 1,994 (48)​ 2,153 (48)​
10M 343 (0)​ 491 (0)​ 800 (0)​ 1,033 (0)​ 2,604 (0)​
18M 643 (0)​ 960 (0)​ 1,416 (0)​ 1,828 (0)​ 2,540 (0)​

※ () 内の数字は、その時点のSkipped packets数

考察

Starlinkを2台使ったRedundancy構成での検証結果、Path1ではビットレート6M・18MではSkipped Packetsが0を維持しており、Lost PacketsはすべてARQにより回復できていました。

ただし10Mでは6分経過以降にSkipped Packetsが17発生し、Path2では6Mビットレートで6分経過以降にSkipped Packetsが48発生しました。

各PathでSkipped Packetsが発生したものの、Redundancy構成により互いのPathで補完できたため、モニター出力された映像を目視で確認したところ、全ての条件において映像の乱れやノイズは確認されませんでした。

以前のファームウェアではStarlink経由のSRT受信時に定期的に映像が乱れる問題が発生していましたが、Makito X4 Decoder 1.7.1へのアップデートによりこの問題が解消され、Redundancy構成と組み合わせることでStarlink環境でも安定した映像受信が実現できることが今回の検証で確認できました。

こんな場面での活用にピッタリ!​

野外イベントで、女優さんを舞台のスクリーン上に投影して観客とコミュニケーションがとれたらおもしろいのになぁ。でも、インターネット回線なんて用意できないよなぁ。

このゴルフ場、携帯電話の電波がよくないなぁ~

試合の配信をしたいのに、バックアップの回線を用意した方がいいかな?


検証は以上です。

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