映像伝送ソリューション
IPを使った高品質の映像をリアルタイムで配信する際に、ネットワークの途絶えは致命的な問題となります。有線のインターネット環境を構築できる環境であれば安定性はある程度確保されるかもしれません。しかしながら、インターネット回線のない屋外や有線インターネット回線が滞ってしまった災害時ではいかがでしょうか?
本記事では、衛星回線Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成で、映像ソースをSRTプロトコルでMakito X4デコーダで受信した際の動作の検証を行います。
StarlinkはSpaceXによって提供されている衛星インターネットサービスです。地球低軌道に多数の小型衛星を配備することで、高速で広い地域にわたるインターネット接続を提供します。
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遠隔地や地方であっても高速で低遅延のブロードバンド インターネットが可能
動画フォーマット: |
AVC / H.264 |
検証では、Makito X4 エンコーダからの映像を使用してクラウド版のHaivision SRT Gatewayを経由してStarlinkに接続しています。StarlinkはYAMAHAのRTX830を2台使いセグメントを分けてMakito X4 デコーダにPath Redundancy(Active-Active)構成で接続するように設定しています。
以下の動画フォーマットに対してビットレートを6M, 10M, 18Mの3パターンに設定して約10分間の映像伝送を行います。その際のSkipped Packetsの数をカウントします。
下記は、発生したSkipped Packetの数を表示しています。
SRT Path1 | 経過時間 | |||||
2分 | 4分 | 6分 | 8分 | 10分 | ||
Bitrate | 6M | 1,236 | 1,986 | 2,967 | 3,471 | 3,796 |
10M | 60 | 161 | 1,034 | 2,614 | 4,484 | |
18M | 2,496 | 2,567 | 2,581 | 2,920 | 5,114 |
SRT Path2 | 経過時間 | |||||
2分 | 4分 | 6分 | 8分 | 10分 | ||
Bitrate | 6M | 215 | 444 | 1,189 | 1,977 | 2,119 |
10M | 4 | 19 | 543 | 1,843 | 2,304 | |
18M | 836 | 1,388 | 1,391 | 3,263 | 5,890 |
*Skipped packetは、デコーダからの再送要求後にも救いきれなかったパケット数を表します。
検証開始直後に6Mの方が10MよりもSkippedが多いのはStarlink伝送路上にて帯域が落ちたり途切れたりするタイミングが異なっているためです。
MakitoX4デコーダのStatistics画面にてストリームの詳細を確認することが可能です。
Starlinkを2台使ったPath Redundancy構成での運用も本番では十分に活用できることが分かりました。
今回はMakito X4 デコーダで映像を受信する検証でしたが、次の機会があればMakito X4 エンコーダを使いカメラ映像を送る検証を行いたいと思います。
このゴルフ場、携帯電話の電波がよくないなぁ~
試合の配信をしたいのに、バックアップの回線を用意した方がいいかな?
検証は以上です。
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