アプリケーション

技術資料

  • Makitoシリーズを見る

株式会社PALTEK > ソリューション事業 > 映像伝送ソリューション > 技術資料 > Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成の映像をMakito X4 デコーダで受信してみた

Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成の映像をMakito X4 デコーダで受信してみた

IPを使った高品質の映像をリアルタイムで配信する際に、ネットワークの途絶えは致命的な問題となります。有線のインターネット環境を構築できる環境であれば安定性はある程度確保されるかもしれません。しかしながら、インターネット回線のない屋外や有線インターネット回線が滞ってしまった災害時ではいかがでしょうか?

本記事では、衛星回線Starlinkを2台使ってPath Redundancy構成で、映像ソースをSRTプロトコルでMakito X4デコーダで受信した際の動作の検証を行います。

検証

検証に使用した機材

Starlink

StarlinkはSpaceXによって提供されている衛星インターネットサービスです。地球低軌道に多数の小型衛星を配備することで、高速で広い地域にわたるインターネット接続を提供します。

← Starlink
遠隔地や地方であっても高速で低遅延のブロードバンド インターネットが可能

​Haivision  SRT Gateway

​Haivision  SRT Gateway

ネットワークブリッジシステム​

Makito X4 ビデオエンコーダ

​Haivision  Makito X4 エンコーダ​

4K HEVCならびにH.264を実現する
超低遅延エンコーダ​

Makito X4 ビデオデコーダ

​Haivision  Makito X4 デコーダ

4K HEVCならびにH.264を実現する
超低遅延デコーダ​

構成

構成図
動画フォーマット:

AVC / H.264
1920 x 1080p 59.94
CBR
レイテンシ500msec

 

 

画像1 画像2

検証では、Makito X4 エンコーダからの映像を使用してクラウド版のHaivision SRT Gatewayを経由してStarlinkに接続しています。StarlinkはYAMAHAのRTX830を2台使いセグメントを分けてMakito X4 デコーダにPath Redundancy(Active-Active)構成で接続するように設定しています。

以下の動画フォーマットに対してビットレートを6M, 10M, 18Mの3パターンに設定して約10分間の映像伝送を行います。その際のSkipped Packetsの数をカウントします。

検証結果

下記は、発生したSkipped Packetの数を表示しています。

SRT Path1 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 1,236 1,986 2,967 3,471 3,796
10M 60 161 1,034 2,614 4,484
18M 2,496 2,567 2,581 2,920 5,114

 

SRT Path2 経過時間
2分 4分 6分 8分 10分
Bitrate 6M 215 444 1,189 1,977 2,119
10M 4 19 543 1,843 2,304
18M 836 1,388 1,391 3,263 5,890

*Skipped packetは、デコーダからの再送要求後にも救いきれなかったパケット数を表します。

検証開始直後に6Mの方が10MよりもSkippedが多いのはStarlink伝送路上にて帯域が落ちたり途切れたりするタイミングが異なっているためです。

MakitoX4デコーダのStatistics画面にてストリームの詳細を確認することが可能です。

構成図

考察

ビットレートが6M, 10Mの場合、片方のPathの接続が切れたタイミングでもう片方のPathがカバーするため大きな映像の乱れはありませんでした。​ 映像の乱れはストリームを流した直後に発生していましたが、 5分を過ぎた辺りからはほぼほぼ発生することはありませんでした。 18Mになると両Pathが互いにカバーするためSkipped Packetsの数は増えましたが、大きな映像の乱れはありませんでした。

Starlinkを2台使ったPath Redundancy構成での運用も本番では十分に活用できることが分かりました。​

今回はMakito X4 デコーダで映像を受信する検証でしたが、次の機会があればMakito X4 エンコーダを使いカメラ映像を送る検証を行いたいと思います。

こんな場面での活用にピッタリ!​

野外イベントで、女優さんを舞台のスクリーン上に投影して観客とコミュニケーションがとれたらおもしろいのになぁ。でも、インターネット回線なんて用意できないよなぁ。

このゴルフ場、携帯電話の電波がよくないなぁ~

試合の配信をしたいのに、バックアップの回線を用意した方がいいかな?


検証は以上です。

検証結果や製品について、ライブ配信サポート・機器レンタルなど、
映像伝送のことならお気軽にお問い合わせください。

 

機材レンタル
ライブ配信サービス

映像伝送ソリューションについての
お問い合わせ

映像伝送ソリューションについてのお問い合わせは<br />こちら

お見積り・機器の貸し出しなどお気軽にお問合せください

お問い合わせはこちら

株式会社PALTEK ソリューション事業本部 第一部 第一課
ビデオソリューション窓口