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Elecard社

Elecard BoroでSRTストリームを可視化
miniPC構成の検証レポート

Elecard Boro × SRT
~ miniPC構成でSRTストリームの品質をリアルタイム可視化してみた~

Elecard Boroは、UDP / RTP / HLS / DASH / SRT / RTMPなど主要な配信プロトコルに対応した、映像ストリームの品質監視(QoS / QoE)ソフトウェアです。SRT(Secure Reliable Transport)は、低遅延・高信頼を両立する配信プロトコルで、近年ライブ伝送での採用が拡大しています。

SRTストリームをElecard Boroで監視し、どのような品質情報を取得・可視化できるかを確認しました。小型・省電力のminiPC上でプローブ (Probe : Boroの監視エージェントソフトウェア。WindowsまたはLinux上で動作し、各監視ポイントに配置してストリームの解析を行う) を動作させ、SRTストリームの監視を行います。

実験環境

システム構成

項目 内容
エンコーダ Haivision Makito X4 エンコーダ
Boroインストール先 miniPC(Ubuntu)
Probe実行環境 Windows PC

エンコーダーから送出されたSRTストリームをProbeが受信し、解析結果をBoroに集約・表示する構成としています。比較的シンプルな構成とすることで、Boroの基本的な動作や可視化機能に注目できる環境を用意しました。

フォーマット・検証条件

項目 内容
プロトコル SRT(Callerモード)
映像フォーマット H.264
解像度 1920×1080(1080p)
ビットレート 6Mbps
測定時間 約1時間

これらの条件でストリームを継続的に送出し、Boroのダッシュボード上でビットレート、ジッタ、パケットロスなどの指標を観察します。環境条件を固定した状態でのデータを取得することで、SRTストリームの基本的な伝送品質を確認していきます。以下、観察結果を項目ごとに整理します。

観察結果

ビットレートの推移

ビットレートの推移

「Input Bitrate + PID Bitrates」では、ストリーム全体の入力ビットレートに加え、映像・音声などPIDごとのビットレート推移が重ねて表示されています。今回の検証では、入力ビットレートは概ね一定の範囲で推移しており、映像内容に応じた自然な変動が見られました。PIDごとの表示を有効にすることで、映像PIDと音声PIDそれぞれの帯域使用状況を個別に確認でき、ストリーム内部の構成を把握しやすくなっています。

パケットロスおよび連続性の確認

Continuity Counter Errors・SRT Packet Loss / Packet Drop

パケットの連続性エラー(Continuity Counter Errors)や、SRTの損失・破棄パケット数(SRT Packet Loss / Packet Drop)といったグラフでは、ストリーム受信中に発生したパケット欠損や連続性の問題を時系列で確認できます。
今回の画面では、これらの値に大きな変動は見られず、SRTストリームが継続的に正常受信されていることを数値として確認することができました。

SRT特有の統計情報

Packet Retransmit・SRT Bitrates・SRT Delays

SRT Receive、Packet Retransmit、SRT Bitrates、SRT DelaysといったSRT特有の統計情報も確認できます。受信パケット数や再送状況、実効ビットレートや遅延量がグラフとして可視化されており、SRTの動作状況を詳細に把握できる構成になっています。特に遅延やバッファ量が時間軸で確認できるため、ストリームの安定性を時系列で評価することが可能です。

イベントログによるストリーム状態の把握

Boroでは、ビットレートやパケット統計といった数値情報に加えて、ストリーム内で検出された変化やイベントをイベントログとして時系列で確認することができます。イベントログには、プログラム情報や映像フォーマットに関する変更内容が記録されており、今回の検証環境では、Program Specific Information(PSI)の変化や映像情報(コーデック、プロファイル、PIDなど)の検出結果が表示されていました。
例えば、映像コーデックを H.265(HEVC)からH.264(AVC)に変更した場合、上の画像のように変更があったポイントが赤文字で分かりやすく表示されます。数値グラフだけでは分かりにくい「いつ、どのような情報が検出・更新されたのか」を把握できる点は、システムの品質監視や問題発生時の原因調査にも役立ちます。

以上が、SRTストリームの観察結果です。続いて、これらの監視データを目的別に確認できるBoroのビュー機能を紹介します。

用途に応じて使い分けられるBoroの監視ビュー

システム構成

アイコン レイアウト名 表示されるデータ 監視対象ストリームの数
ブロックビュー ブロックビュー 分析されたすべてのサービスのリアルタイムブロック表示を提供します。カードの色はアラームの重大度レベルに対応しています。 すべてのストリーム/統合ストリーム
ブロックビュー モザイクビュー ストリームのサムネイルをモザイクとして表示します。エラーフラグはアクティブなトリガーと可用性の傾向を示します。サムネイルの更新頻度は、特定のタスクの設定によって異なります。 すべてのストリーム/統合ストリーム
ブロックビュー ライブビュー 登録された問題やイベントを示すリアルタイムの動的なストライプとしてストリームを表示します。毎秒更新されます。 全て
ブロックビュー テーブルビュー ストリームのリアルタイムの定量的特性を表形式で表示します。IPTVとOTTのタブが含まれます。 全て
ブロックビュー 通知および記録ジャーナル 登録されたアラーム イベントの共通(すべてのタスク用)ジャーナルと、さまざまな通知プロファイル(SNMP、電子メール、PagerDuty、Webhook、Telegram)のジャーナル+レコード ジャーナル。 全て
ブロックビュー グラフビュー 短い間隔(20秒)でのMulticastRateとIAT:MLR/DF:MLRのグラフィカル表現と、表形式で表されたIPTVストリームの基本的なQoSパラメータを表示します。 全て
ブロックビュー KpiView 分析されたすべてのストリームのエラーの統計を表形式で表示し、サービス品質に関する定期的なレポートをスケジュールするためのツールを提供します。 全て分析されたすべてのストリームのエラーの統計を表形式で表示し、サービス品質に関する定期的なレポートをスケジュールするためのツールを提供します。 全て

Boroでは、取得したストリームの情報をテーブルビュー、ブロックビュー、モザイクビュー、グラフビューといった複数の表示形式で確認できるようになっています。実際の運用では「何を確認したいか」に応じて、これらを用途ごとに使い分けます。

例えば、システム全体の状態を一目で把握したい場合には、複数のストリームやサービスをまとめて確認できるテーブルビューやブロックビューが有効です。カードや一覧形式で状態を確認できるため、異常がないかを短時間でチェックできます。

Elecard デモ環境のテーブルビュー
Elecard デモ環境のブロックビュー

一方、個々のストリームを映像とあわせて確認したい場合には、サムネイルを並べて表示するモザイクビューが役立ちます。数値だけでは気づきにくい映像の変化を視覚的に把握できる点が特徴です。

Elecard デモ環境のモザイクビュー

また、ビットレートやエラー数、QoS指標などを数値ベースで詳しく確認したい場合にも、テーブルビューが活用できます。先に紹介した俯瞰用途とは異なり、個別ストリームの数値や時間変化を追いたい場面で使いやすく、検証や振り返りにも適しています。

Elecard デモ環境のテーブルビュー
Elecard デモ環境のグラフビュー

このようにBoroでは、同じ監視データを複数のビューに切り替えて確認できるため、日常監視・詳細確認・検証など、作業の目的ごとに最適な画面を選べる設計になっています。すべての機能を細かく覚える必要はなく、目的に合わせてビューを選ぶだけで使い始められる手軽さも特徴です。

検証まとめ

miniPCとBoro Probeというシンプルな構成でも、SRT特有の統計(再送・遅延・パケットロス)からPSI変化のイベントログ、複数ビューによる多角的な可視化まで一通り確認できました。SRTを用いたライブ伝送のリアルタイム品質監視において、十分実用的な構成であるとの所見を得ています。


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Elecard社ロゴ

Elecard社は1988年に設立された動画圧縮技術のリーディングカンパニーです。MPEG-2、H.264/AVC、HEVCなどのライブエンコーディング、ストリーム監視、動画品質分析ソリューションを提供しており、世界中の9,000社以上の企業に利用されています。放送事業者、IPTVやOTTオペレーター向けに、リアルタイム監視プローブやビデオアナライザーなどの専門ソフトウェアを開発し、Intel、Cisco、Netflixなどの業界リーダーから高く評価されています。


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