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ニュースリリース

アメーバコンピュータに
FPGAコンピューティングプラットフォーム
「M-KUBOS」が採用

2020 年 9 ⽉ 30⽇

PALTEK、AMOEBA ENERGYなどが開発したアメーバコンピュータに
FPGAコンピューティングプラットフォーム「M-KUBOS」が採用

~組合せ最適化問題を従来型コンピュータよりも高速に解くことが可能に~


株式会社PALTEK(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:矢吹尚秀、証券コード:7587、以下PALTEK)は、慶應義塾大学発のベンチャー企業で、アメーバ型組合せ最適化アルゴリズムを提供するAmoeba Energy株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:青野真士、以下AMOEBA ENERGY)とFPGAコンピューティングのエキスパートである株式会社ベクトロジー(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:篠田義一、以下ベクトロジー)が共同で開発した、組合せ最適化問題※1を高速に解くことが可能な「アメーバコンピュータ」に、FPGAコンピューティングプラットフォーム 「M-KUBOS」が採用されたことを発表いたします。

物流や通信などの社会システムで最適な資源分配パターンを導く「組合せ最適化問題」は、システムサイズが大きくなると「組合せ爆発」を起こし、世界最速スーパーコンピュータでも解けないほどに複雑化します。AMOEBA ENERGYとベクトロジーは、アメーバ生物が効率的に最適パターンに変形する振舞いを数学的にモデル化し、代表的な組合せ最適化問題である「充足可能性問題」※2に対し従来型コンピュータより高速に解ける、FPGAを使ったハードウェア型「アメーバコンピュータ」を開発しました。アメーバコンピュータにFPGAコンピューティングプラットフォーム 「M-KUBOS」を活⽤することで、動作周波数を上げた際でも安定したパフォーマンスを発揮し高い拡張性を実現できるようになり、システムコストおよび消費電⼒削減が可能になります。

アメーバコンピュータの特長および「M-KUBOS」の採用

「アメーバコンピュータ」は、論理的制約条件の集合として様々なアプリケーションを表現する定式化が既になされている「充足可能性問題」を、AMOEBA ENERGY代表・青野氏が独自にモデル化したアルゴリズム「AmoebaSAT」により解く方式で、多数の素子の並行的状態更新と確率的動作を再現できるアーキテクチャを前提に設計されています。※3, 4今回、PALTEKが提供するFPGAコンピューティングプラットフォーム 「M-KUBOS」をハードウェアとして用いることで、「AmoebaSAT」の並行的・確率的プロセスを実装することに成功しました。これにより、参入ハードルや導入コストおよび消費電力を低く抑えることができ、クラウドサービスのみならずエッジコンピューティング、IoT、組込みシステム等における幅広いアプリケーションに展開することが可能になります。技術的詳細については、10月中旬以降に公表される予定です。

アメーバコンピュータの用途

組合せ最適化問題として定式化される様々なアプリケーションは、以下のようなものが挙げられます。
・スマート工場における自動搬送車による搬送計画
・スマート病院における病室利用スケジューリング
・無線通信ネットワークにおけるリアルタイムルーティング
・自動運転車による配送計画
・ロボットアーム等による物体移動プランニング
・モノ・サービス・エネルギーのP2P取引※5など

M-KUBOSの詳細

M-KUBOSの詳細は、以下URLをご覧ください。

専門用語説明および注釈

※1 組合せ最適化問題 組合せ最適化問題とは、様々な制約の下で多くの選択肢の中から、ある指標(価値)を最も良くする変数の値(組合せ)を求めること。
※2 充足可能性問題

一つの命題論理式が与えられたとき、それに含まれる変数の値を偽あるいは真にうまく定めることによって全体の値を“真”にできるか、という問題。(Boolean Satisfiability Problem; SAT)

※3 アメーバ計算に関するレビュー論文(英語) Aono, “Amoeba-inspired combinatorial optimization machines,” Jpn. J.

Appl. Phys. 59, 060502 (2020).

https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1347-4065/ab8e05
※4 アメーバ計算に関する研究紹介論文(日本語)

青野真士, 大古田香織, "アメーバ型組合せ最適化マシン," 応用物理学会機関誌

『応用物理』, 2020年10月号.

https://www.jsap.or.jp/ap/
※5 P2P取引 Peer to Peerの略称。ネットワークに接続されたコンピュータ端末同士が直接通信する方式のこと。

Amoeba Energy株式会社について

AMOEBA ENERGYは、次世代を担うコンピューティング技術のヒントは自然界を生き抜く生物の情報処理原理から得られると信じています。慶應義塾大学の研究者でもある代表・青野氏は、単細胞アメーバ・粘菌が環境に適応し最適パターンに変形する振舞いに学び、「巡回セールスマン問題」や「充足可能性問題」等の複雑な組合せ最適化問題を電子回路を用いて高速に解く生物型コンピュータの研究開発を続けてきました。 「アメーバコンピュータ」は、回路を流れる電流ダイナミクスの並行性や、デバイスの揺らぎからもたらされる確率的動作を活用し、適切なパターンを従来型コンピュータより素早く確実に得る手段を提供します。それは、多様な制約をもつニーズ、変わり続けるリクエスト、増大していくシステムサイズに対応できる「ヤワラカさ」を体現できます。
AMOEBA ENERGY に関する詳細は、https://amoebaenergy.com/  をご覧ください。

株式会社 ベクトロジー について

ベクトロジーは主にFPGAコンピューティングに基づくGPUを凌駕する専用演算器の開発、FPGAによる数値演算専用シミュレーションの高速化、超微小信号アナログ/高周波アナログ、ASIC向けFPGAプロトタイピング、筐体設計・基板設計・製造・量産対応の5つの分野に特化してサービスをご提供しています。車載、医療、仮想現実、音声/画像認識、ディープラーニング等、ベクトロジーはFPGAをベースに最新のIoT事業へ貢献しています。リアルタイムで制限の多い環境下での演算処理が必要なこれらの分野にこそ、ベクトロジーのFPGAコンピューティング技術は最適と言えます。製品開発の複雑化、先進化に伴い、求められる演算処理能力のハードルはますます高くなるでしょう。
ベクトロジー に関する詳細は、https://vectology.jp/ をご覧ください。

株式会社 PALTEK について

PALTEKは、1982年の創業以来、⽇本のエレクトロニクスメーカーに対して国内外の半導体製品の販売の ほか、ハードウェアやソフトウェアなどの設計受託サービスも提供し、お客様の製品開発のパートナーとして仕様検討か ら試作開発、量産までサポートしています。PALTEKは、「多様な存在との共⽣」という企業理念に基づき、お 客様にとって最適なソリューションを提供することで、お客様の発展に貢献してまいります。
PALTEK に関する詳細は、https://www.paltek.co.jp をご覧ください。

 

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株式会社PALTEK
担当者 広報担当 柴崎 由記
メールアドレス pr@paltek.co.jp
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電話 045-477-2016