2021 年 3 ⽉ 4 ⽇
株式会社PALTEK(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:高橋忠仁、証券コード:7587、以下PALTEK)は、株式会社ベクトロジー(本社:横浜市港北区、代表取締役:篠田義一)と共同で、ハイパフォーマンスFPGAコンピュータ「HPFC」を開発し、販売を開始します。
これにより、4K/8K映像伝送、リモート制御、医療画像診断、ロボット制御などでの遅延・消費電力の課題を解決することが可能となります。なお、PALTEKは、3月24日(水)に「Society 5.0/Industry 4.0時代に求められるエッジコンピューティングプラットフォームとは」と題してウェビナーを開催いたします。
ハイパフォーマンスFPGAコンピュータ「HPFC」
次世代通信規格「5G(第5世代移動通信)」の商用サービスが2020年3月25日に開始されました。IDC Japanの調査による※1と、4K/8Kなどの高精細画像/映像の伝送が産業分野における5Gの最大のユースケースの一つであると示されています。具体的には、4K/8K高精細映像コンテンツのリアルタイム配信、機械学習による画像認識、そして3Dモデリングによる新たな価値提供のユースケースにおいて、5Gの活用が進むと分析されています。
現在、5Gの活用に向けてマルチアングルによる臨場感あふれる遠隔スポーツ観戦、自動車・建機などの自動運転、遅延の許されない医療画像診断などの可能性が考えられ、さまざまな実証実験が始まっています。
そのなかで、5G時代の4K/8Kの高精細映像の伝送・映像処理・映像認識・AI処理に関して、以下の3つの大きな課題があります。
HPFCは、PALTEKが販売しているFPGAコンピューティングプラットフォーム「M-KUBOS」とAMD ザイリンクス社が提供するアクセラレータ カード「Alveo™」を最大4基接続し構成されています。「Alveo™」にはHBM2メモリ※2を搭載しており、メモリ帯域幅800GByte/秒を超えるメモリ帯域幅を実現します。またPYNQ※3にも対応しており、Jupyter Notebook※4の環境を活用することでPythonから手軽にFPGAを利用できます。
詳細は、 https://www.paltek.co.jp/design/original/hpfc/index.html をご覧ください。
1 | メモリ帯域幅 | 800GByteを超えるメモリ帯域幅を実現 |
---|---|---|
2 | 小型低消費電力 | 19インチ2Uラック(約45センチ)の筐体に約300Wの消費電力のため、自動運転実験車・ロボットなどに搭載可能 |
3 | インターフェース | 豊富な画像映像インターフェースを接続可能 ・3G/6G/12G-SDI ・HDMI1.4/2.0/2.1 ・DisplayPort1.2/1.4 ・100Gネットワークインターフェースカードを開発済み。その他カードも検討中。 |
4 | PYNQ™に対応 | Jupyter Notebookを使ってWebブラウザからPythonで プログラマブルロジック上のハードウェアを制御可能 |
5 | マルチFPGAシステムFiCに対応 | 慶應義塾大学天野教授が提唱するマルチFPGAシステムFiC※5に対応。HPFCを連結させることにより、複数台での並列計算が可能 |
項目 | 仕様 |
---|---|
オペレーティング・システム | Ubuntu 18.04 |
アクセラレータ カード | AMD ザイリンクス Alveo™ U50 データセンター アクセラレータ カード×4 |
プロセッサ | QuadCore Arm Cortex-A53、DualCore Arm Cortex-R5 |
メモリ | PS:4GB DDR4-2400 PL:1x DDR4-2400 SODIMM ソケット アクセラレータ・カードHBM2 8GB×4(201 GB/s×4) |
ストレージ | SSD(16GB、option) |
インターフェース | USB3.0×1、USB-UART×1、1Gb Ether(RJ45)、DP1.2 |
高速IO | 8x GTH TX/RX分離 (max 16.3Gbps) 4x GTH TX/RX混載 (max 16.3Gbps) |
「Zynq® UltraScale+™ MPSoC※6の中でもハイエンドデバイスであるXCZU19を搭載したM-KUBOSとAMD ザイリンクス社のAlveo™がワンパッケージにまとまった世界唯一のコンピュータが完成しました。HPFCは、PYNQ™を採用しているため充実したプログラミング環境・PYNQ™アプリケーションの移植性の良さを持ちます。また、画像/映像に代表される豊富なインターフェース、マルチボードに対する拡張が容易である特長を持ちます。
HPFCは、既存のAI研究成果をエッジに持ち出すに最適なコンピュータであり、xR(AR、VR、MR)・自動運転研究・医療画像診断などリアルタイム処理が必要なアプリケーションに対してエッジコンピューティングプラットフォームとして最適解の一つになると確信しております。」
PALTEKは、「Society 5.0/Industry 4.0時代に求められるエッジコンピューティングプラットフォームとは」 と題してウェビナーを開催いたします。
詳細につきましては、お申込みURLにてご確認ください。
開催日時 :2021年3月24日(水)14:00~15:00予定
お申込み : https://www.paltek.co.jp/techblog/seminar/210324-01
※1 | 2019年国内産業分野向け5G市場動向分析:5Gが加速する4K/8K高精細映像の産業応用 |
※2 | HBM2メモリ:従来の代表的なDDR4メモリ最大データ転送速度は25.6Gバイト/秒(理論値)です。これに対しHBM2は、DDR4の約10倍に相当する256Gバイト/秒(理論値)の最大データ転送速度を実現できる。 |
※3 | PYNQ™:PythonでFPGAを利用するためのフレームワークのこと。 |
※4 | Jupyter Notebook:PythonなどをWebブラウザ上で記述・実行できる統合開発環境のこと。 |
※5 | マルチFPGAシステムFiC:FiC(Flow-in Cloud)は、価格性能比に優れた中規模FPGAを高速の双方リンクで複数本接続した大規模計算システムのこと。 |
※6 | MPSoC:AMD ザイリンクス社の SoC ポートフォリオのひとつで、プロセッサのソフトウェア プログラマビリティと FPGA のハードウェア プログラマビリティを兼ね備えており、非常に高いシステム性能、柔軟性、拡張性を実現します。また、低消費電力で低コストのデザインを素早く製品化できるなど、システム全体にも大きなメリットをもたらします。 |
AMD ザイリンクスの名称およびAlveo、PYNQ 、UltraScale+、Zynq、その他本プレスリリースに記載のブランド名は米国およびその他各国のAMD ザイリンクスの登録商標または商標です。その他すべての名称は、それぞれの所有者に帰属します。
ベクトロジーは主にFPGA コンピューティングに基づく GPU を凌駕する専用演算器の開発、FPGA による数値演算専用シミュレーションの高速化、超微小信号アナログ/高周波アナログ、ASIC 向け FPGA プロトタイピング、筐体設計・基板設計・製造・量産対応の5つの分野に特化してサービスをご提供しています。車載、医療、仮想現実、音声/画像認識、ディープラーニング等、ベクトロジーは FPGA をベースに最新の IoT 事業へ貢献しています。リアルタイムで制限の多い環境下での演算処理が必要なこれらの分野にこそ、ベクトロジーの FPGA コンピューティング技術は最適と言えます。製品開発の複雑化、先進化に伴い、求められる演算処理能力のハードルはますます高くなるでしょう。ベクトロジーの FPGA コンピューティング技術が最適であることは、これまでの採用実績によって裏付けられています。
ベクトロジーに関する詳細は、 https://vectology.jp/ をご覧ください。
PALTEKは、1982年の創業以来、日本のエレクトロニクスメーカーに対して国内外の半導体製品の販売のほか、ハードウェアやソフトウェアなどの設計受託サービスも提供し、お客様の製品開発のパートナーとして仕様検討から試作開発、量産までサポートしています。
PALTEKは、「多様な存在との共生」という企業理念に基づき、お客様にとって最適なソリューションを提供することで、お客様の発展に貢献してまいります。
PALTEK に関する詳細は、https://www.paltek.co.jp をご覧ください。
■ニュースリリースに関するお問い合わせ
株式会社 PALTEK | |
---|---|
担当者 | 広報担当 柴崎、寺田 |
メールアドレス | pr@paltek.co.jp |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜 2-3-12 新横浜スクエアビル 6F |
電話 | 045-477-2072 |
■製品に関するお問い合わせ
株式会社 PALTEK | |
---|---|
担当者 | デザインサービス事業部 |
メールアドレス | info_pal@paltek.co.jp |
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜 2-3-12 新横浜スクエアビル 11F |
電話 | 045-477-2009 |