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【梱包資材選定者必見】
環境配慮型紙緩衝ソリューション活用とは

【梱包資材選定者必見】環境配慮型紙緩衝ソリューションの活用とは

目次

1.はじめに

物流業界における梱包資材の選定は、環境負荷を減らす上で重要な選択肢の一つです。特にプラスチックの使用による環境への影響が注目されており、多くの企業がプラスチックの使用削減に取り組んでいます。
この記事では、環境に配慮した梱包資材に関する現状をお伝えし、Ranpak社が提供する環境配慮型紙緩衝ソリューションの活用例についても紹介します。

「緩衝材」と聞いて、思い浮かぶものはなんでしょうか。

いろいろな緩衝材

物流業界における緩衝材の種類は様々です。代表的なものとしては、プチプチ(気泡緩衝材)、エアクッション、新聞紙などがあります。これらの緩衝材は商品を衝撃から保護し、配送中の破損を防ぐ役割を果たします。プチプチやエアクッションはプラスチック製ですが、紙製の緩衝材もあります。

物流梱包資材の選定における課題とはなんでしょうか。例えば、商品の保護性や配送効率を確保しながら、環境負荷を低減することが求められます。また、コスト面や取り扱いの容易さも考慮しなければなりません。

2.私たちを取り巻く環境

2-1. 環境配慮とバリューチェーンの関係

私たちを取り巻く環境について整理しましょう。環境配慮において、梱包プロセスだけを考慮すればよいのでしょうか。
いいえ、そうではありません。

各バリューチェーンにおいて、梱包・物流の最適化だけでなく、ものづくりから最終的な消費と循環型社会の実現にどのような関係があるかという壮大なテーマに沿った話になります。しかし、このブログでは物流・出荷作業に関わる部分が環境にどのように影響を及ぼすかについて考えていきます。

2-2. プラスチック摂取と環境への影響

さて、突然ですが、私たちは意識せずにプラスチックを体内に摂取していることがあります。
どのくらいの量を摂取しているか、想像したことはありますか?

毎週約5g、毎年約150g、生涯約20kgのプラスチックを摂取

具体的な量は以下の通りで
毎週約5g、毎年約150g、生涯約20kgのプラスチックが摂取されているとされています。
この150gは、クレジットカード1枚分の重さに相当します。

なぜ私たちがプラスチックを摂取しているのでしょうか。
その理由は、現在、私たちが使用しているプラスチックは非常に長寿命であり、20年から450年もの間分解されないからです。世界では年間43億トンものプラスチックが生産されており、そのうち47%が梱包に関連するプラスチック廃棄物です。

投棄されたプラスチックは細かい粒子となり、海に流れ込んでしまいます。海洋生物がこれを摂取し、私たちが魚を食べることでマイクロプラスチックが食物連鎖に入り、人間の健康にも影響を及ぼす可能性があるとされています。さらに、プラスチックの生産には多くの二酸化炭素が排出され、地球温暖化や気候変動にも影響を与えています。また、プラスチック製の梱包材や廃棄物が海洋に流出し、生態系や環境に悪影響を及ぼしている現実も存在します。

さて、本ブログでは、海洋プラスチック問題に再フォーカスしていきますが、現在、毎分ごみトラック1台分ほどの量のプラスチックごみが出ていて、多くの海洋生物が命を落とすといわれています。なんとこのままいくと2050年にはプラスチックごみの量が魚よりも多くなるという予想も出ているのです。

2-3. プラスチック削減と持続可能な未来

それではプラスチック=悪なのでしょうか。そんなことではなくて、適切に使用しましょう。ということなのです。

世界では適切にプラスチックを使用するため、プラスチック使用の規制や制限が進んでいます。特にヨーロッパでは、一部の使い捨てプラスチック製品の禁止や制限が行われており、環境に配慮した社会の構築が進んでいます。例えば、スーパーやコンビニにおけるショッピングバッグの規制や荷物における緩衝材の利用を避ける動きなどが見られます。

一方、日本ではどうでしょうか。日本でも2021年4月からプラスチックバッグの有料化が始まり、プラスチックの使用を避ける傾向が広がっています。また、2017年頃からアメリカのコーヒーショップがストローをプラスチックから紙へ切り替えたことをきっかけに、社会の認識も変化してきました。企業や個人が環境負荷を軽減するために、紙製品の利用やリサイクルを積極的に行っている事例が増えています。

以前は日本では紙の緩衝材はゴミに見えるという認識がありましたが、2017年頃から徐々に変化し、現在は紙の緩衝材の需要が増えています。特に消費者向けの商品やイーコマースでの買い物において、環境配慮の緩衝材が求められています。

日本も外的環境の変化により、日常のロジスティクスや梱包などのオペレーションにおいてプラスチック削減への要請が増えています。また、認知度の向上とともに、企業や事業者はブランディングや顧客ニーズに応えるために、プラスチック以外の緩衝材を選ぶ傾向があります。

なぜ世界的にプラスチック規制が進んでいるのでしょうか。それは、カーボンフットプリントや二酸化炭素排出などの問題から、温暖化や地球環境への影響が深刻化しているためです。各国政府や環境省が積極的に取り組んでおり、2030年までに目標を達成するための取り組みが行われています。

世界のトレンドに目を向けると、とある国連のデータでは75%の消費者が使い捨てプラスチックを規制すべきと回答、北米では、脱プラ意識が更に高まり4人に3人が紙緩衝材を望んでいると回答しているデータがあります。また、グリーン購入レポート(2022年)によると欧州でも各規制によって世論に変化が出ていているそうです。

日本はどうでしょうか。消費者庁「令和2年度版消費者白書」によると、捨てる量を減らさなければならないと強く感じるものという質問に対し、「プラスチック容器梱包」と回答し、多くの消費者がプラスチック容器包装について減らすべきと回答しています。

消費者庁「令和2年版消費者白書」

では、ここからは日本の現状とリサイクルの課題についてみてみましょう。
日本ではプラスチックのマテリアルリサイクル率が22%(2019年時点)となっています。ただし、リサイクルにはサーマルリサイクルとマテリアルリサイクルの2つの分野があります。世界的なトレンドはマテリアルリサイクルに向かっており、プラスチックの容器や包装に関しては、再利用可能な素材への回収やリサイクルが進んでいます。

一方、日本ではサーマルリサイクルが主流であり、プラスチックを焼却してエネルギーとして活用する方法が主に採用されています。マテリアルリサイクルには選別や再加工などの課題があり、設備投資も必要となるため、日本国内では実現が難しい側面もあります。

それでは、以降では本題である緩衝材における課題について説明します。

3.緩衝材における課題

物流梱包において緩衝材は欠かせない存在ですが、既存のプラスチック製品にはさまざまな課題があります。Ranpak社がお客様へ行ったアンケート調査によると、以下のような課題が挙げられました。

  1. 多種類の緩衝材を使用しているため、シンプルな選択肢にしたい
  2. 人件費を上げずに出荷数を増やしたい
  3. 緩衝能力を高めたい
  4. 破損や返品による手間を減らしたい
  5. 環境配慮型への変更指示が来ているが、具体的な方法がわからない

これらの課題は、企業が緩衝材を見直す際に考慮すべきポイントとなっています。特に環境配慮とコスト削減の両立は難しい課題であり、解決策を見つける必要があります。

4.梱包資材市場について

現在の緩衝材市場では、プチプチやエアバッグなどのプラスチック製品が主流ですが、環境配慮型の緩衝材への需要が増えています。実際、プラスチック製品は市場全体の約85%を占めており、紙の緩衝材はまだマイノリティとなっています。しかし、紙の緩衝材メーカーである「Ranpak」は世界で50%以上のシェアを持ち、需要の高まりを反映しています。

では、皆さんが主に使用されている緩衝材はどのような素材でしょうか。
緩衝材は、プラスチック系と非プラスチック系に大別されます。ボウガスペーパーなどの非プラスチック系は、既に環境配慮された選択肢として認識されています。

一方、プラスチック系の緩衝材にはプチプチやエアバッグ、ウレタンなどさまざまな種類があります。プラスチック系から非プラスチック系への置き換えをされたいというご要望が多くあがるなか、現在非プラスチック系の緩衝材というと、紙素材のものが大半です。ですから、ここからは紙について説明します。

プラスチックから紙へのシフトは、環境への負荷を軽減するだけでなく、様々なメリットをもたらします。まず、紙は自然素材であり、環境への影響が比較的少ないとされています。また、紙は再生可能な資源であり、リサイクルや廃棄物処理が容易です。さらに、紙は分解性が高く、短期間で自然に分解されるため、環境への負荷が軽減されます。加えて、紙は梱包材としても優れた性能を持っており、保護性や耐衝撃性などの要件を満たすことができます。

5.環境配慮型紙緩衝ソリューションの活用例

Ranpak社は、創業以来50年の歴史を持ち、紙に特化した梱包資材の開発と提供に取り組んできました。日本国内をはじめ、様々な業界のお客様に対して、オンラインショップから大量の商品を日々送る物流梱包資材として利用されています。特に北米やヨーロッパでは広範なストックを持ち、豊富な知識と経験を活かしています。

Ranpak社が提供する紙緩衝材は、すべてFSC®認証を受けた紙を使用しています。Ranpak社の紙緩衝材は、軽量物から重量物まで幅広い商品に対応しており、最大で70kgの商品まで梱包することができます。また、柔軟性にも優れており、ピーク時の出荷量の増減に柔軟に対応することができます。

▼ 軽量物用のエアバックから紙への変更の一例

軽量物用のエアバックから紙への変更の一例

▼ ウレタン材からの置き換えの一例

ウレタン材からの置き換えの一例

▼ 気泡緩衝材からハニカム構造の紙緩衝材への置き換えの一例

気泡緩衝材からハニカム構造の紙緩衝材への置き換えの一例

紙緩衝材は、環境に配慮しながらも出荷スピードと安全性を両立させることが可能です。Ranpak社の紙緩衝材は、品質面での改善を実現し、プロセスの効率化にも貢献します。また、資材コストの削減にも繋がります。紙緩衝材は少量でも商品をしっかり固定することができるため、資材コストや人件費の削減にも寄与します。

紙の梱包資材市場は多様な特徴を持っています。紙を使用することで、環境負荷を軽減できるだけでなく、見た目の緩衝性も向上させることができます。Ranpak社のミッションは、環境への配慮と品質の向上を通じて、お客様の梱包オペレーションをサポートすることです。

6.おわりに

いかがでしたでしょうか。環境負荷を減らすためのプラスチックから紙へのシフトについて紹介させていただきました。Ranpak社は、長年のノウハウとナレッジを活かし、環境に配慮した紙緩衝材の開発と提供に取り組んでいます。物流梱包資材選定担当の方や梱包資材全般に興味のある方、そしてプラスチックからの脱却を検討している方にとって、Ranpak社のソリューションは価値のある選択肢のひとつとなるかと思います。梱包資材の1つとして、選択してみてはいかがでしょうか。

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