2026年、多くの企業の購買・物流担当者が「プラ系緩衝資材が値上がりした」、「納期が遅れている」という現場に直面しています。
その背景にあるのが「ナフサショック」です。中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡の通航制限により、プラスチック製品の基幹原料であるナフサの価格が急騰。プラスチック系緩衝材は、2026年6月時点で多くのメーカーが相次いで値上げを実施しており、改定幅は品目によって数十%に及ぶケースも報告され、今後も予断を許さない状況が続いています。
本記事では、こうした状況への対策として考えられる「紙製緩衝材」について、プラスチック系緩衝材との特性を比較しながら、切り替えを検討する際に知っておきたいポイントを解説します。
※本記事のナフサ価格・値上げ率に関するデータは2026年6月時点の公開情報に基づいています。

この記事でわかること
- ナフサショックがプラスチック系緩衝材の価格・供給にどう影響しているか
- 紙製緩衝材とプラスチック系緩衝材の特性・コスト・環境性能の違い
- 用途別(すき間埋め・ラッピング・クッショニング)の紙製緩衝材の選び方
- プラスチック系緩衝材から紙製緩衝材への具体的な切り替えステップ
1.なぜ今、緩衝材の見直しが急務なのか
ナフサショックで何が起きているか
ナフサとは、原油を精製する過程で得られる石油化学製品の基礎原料です。プラスチック・合成ゴム・合成繊維など、現代社会を支えるほぼすべての化学製品の出発点となる素材で、プラ系緩衝資材も例外ではありません。
2026年2月末、中東の軍事的緊張によりホルムズ海峡の通航が事実上制限される事態が発生しました。世界の原油輸送の重要な海上輸送路への影響により、ナフサの価格が急騰。三菱UFJ銀行の分析によると、停戦が実現した場合でも『地政学的には鎮静化か新たな混沌の入口かの分岐点』にあるとされています。※1
日本のナフサ輸入の約7割は中東産であり、特定地域の地政学リスクに対して脆弱な構造となっています。この依存構造が変わらない限り、今回のような価格急騰・供給不安は今後も繰り返される可能性があります。
プラスチック系緩衝材への影響
ナフサ価格の高騰は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用樹脂価格に直接波及します。2026年6月1日出荷分を境に、建設資材・物流資材・包装資材を中心とした複数のメーカーが相次いで値上げを実施しており、プラ系緩衝資材をはじめとする包装資材は品目によって数十%に及ぶ値上げが実施されています。
価格高騰と同時に深刻なのが「入手困難」というリスクです。ナフサ不足を背景にメーカーが生産調整を余儀なくされ、受注停止・出荷統制・納期遅延が同時進行しています。実際に、一部のメーカーが2026年6月以降の出荷について昨年度の出荷量実績を上限とする数量制限を発表しており「高くても買えない」という状況が現場を直撃しています。※2
安定調達という観点から、原料をナフサに依存しない素材への切り替え検討が急がれています。
2.紙製 vs プラスチック系 特性比較
以下の比較表をご覧ください。
| 比較項目 | 紙製緩衝材(Ranpak) | プラスチック系緩衝材 |
|---|---|---|
| 原料のナフサ依存 | なし(木材パルプ由来) | あり(ナフサ由来) |
| 供給リスク | 安定調達が可能 | 中東情勢次第で欠品リスク |
| 緩衝性・耐衝撃性 | 専用設計の紙構造が衝撃を吸収 | 空気層で衝撃吸収 |
| 長距離輸送の安定性 | 外部環境に左右されにくい | 気温・気圧変化の影響あり |
| 耐水・耐湿性 | 過度な水濡れは避ける必要あり※3 | 水に強い |
| 保管スペース | 専用紙はコンパクトで省スペース保管が可能 | かさばりやすい(製品によって異なる) |
| 廃棄・リサイクル | 古紙回収・可燃ゴミで処理可 | 分別が必要・廃棄コストあり |
| 環境・ブランド効果 | 脱プラ・SDGs訴求ができる | 環境負荷が高い |
※3
紙製緩衝材は過度な水濡れを避ける必要がありますが、屋内保管・通常の輸送環境であれば問題なくご使用いただけます。食品・冷凍品など水濡れリスクが高い用途については、別途ご相談ください。
緩衝性・耐衝撃性
「紙はプラスチックより衝撃に弱いのでは」という先入観をお持ちの方も多いですが、専用に設計された紙製緩衝材の保護性能はプラスチック系に引けを取りません。
気泡緩衝材は内部の空気層でクッション効果を生み出す一方、Ranpak社の紙緩衝材「FillPak®」は蛇腹状に折り重なった紙の層が衝撃を受け止めます。
箱内のすき間をしっかり埋めて商品の動きを抑制するため、プラスチック系に引けを取らない保護性能を発揮します。
エアークッション(空気を封入したプラスチック系緩衝材)は、輸送中の温度変化(夏場のトラック荷台など)や航空輸送時の気圧変化によって内部の空気が膨張・収縮し、クッション性が変化する性質があります。
長距離輸送や海外向け航空便では特に注意が必要です。一方、紙製緩衝材は空気を封入した構造ではないため、こうした環境変化の影響を受けにくく、出発時と同じ状態で商品を保護し続けます。
コスト
① 緩衝材の値段(原材料コスト)
紙製緩衝材の原料は木材パルプであり、今回のようなナフサ価格の急騰による直接的な影響を受けません。これは「価格の安定性」という観点で大きなアドバンテージです。
プラスチック系緩衝材は今後もナフサ価格次第で値上がりが繰り返されるリスクを抱えており、今回のような急騰が再び起きた場合、調達コストが再び急上昇することは避けられません。
長期的なコスト管理の観点から、ナフサに依存しない資材への切り替えはリスクヘッジとして有効な手段です。
② 人件費(梱包作業コスト)
Ranpak社の紙緩衝材を使用して弊社が実施した比較実験では、FillPak®を使用した場合の梱包時間は2分16秒。一方、プラスチック系梱包材では切断・副資材の使用など作業工数が多く6分25秒かかり、約65%の時間短縮を実現しました。
封緘工程においても、切れ込み入り加工の紙は柔軟性が高く箱詰めしやすいため、この差につながっています。
実際の導入効果については、PALTEKの採用事例ページもあわせてご覧ください。
今回のブログでは、「Ranpak社の紙梱包資材とプラスチック系梱包資材をの梱包時間を比較してみよう!」という内容をお届けします。
梱包に必要な副資材の比較・梱包時間比較の手順・梱包時間の比較動画をご覧いただけます。
③ 保管スペースコスト
プラスチック系緩衝材は使用時・廃棄時にかさばりやすく、倉庫の保管スペースを占有しがちです。一方、Ranpak社の紙製緩衝材はロール状や折りたたまれた状態で納品されるため、使用前のストックをコンパクトに管理できます。
実際にPadPak®を導入したゲットイット様では、梱包資材の保管スペースが4坪から0.5坪に縮小、保管コストの年間約34万円削減を達成しています。
株式会社ゲットイット様の声
『人件費も下がりました。保管料も下がりました。資材費も下がりました。環境負荷も下がりました』という評価に象徴されるように、複数の面で具体的な改善効果を実感しています。
現場からは『もっと早く導入すればよかった』という感想もあがっており、導入による高い満足度が伺えます。
※ご採用の声は、インタビュー時点の内容です。
④ 輸送コスト(資材の調達・配送コスト)
プラスチック系緩衝材はかさばるため、使用前の輸送コストが高くなる傾向にあります。紙製緩衝材はコンパクトな状態で納品されるため、1回あたりの配送量を多くすることができ、資材の調達・輸送コスト削減にもつながります。
⑤ 廃棄費用
プラスチック系緩衝材は廃棄時に産業廃棄物として分別処理が必要になる場合があり、廃棄コストが発生します。紙製緩衝材は古紙回収や可燃ゴミとして処理でき、廃棄にかかるコストと手間を削減できます。「見えないコスト」を含めたトータルの資材コスト比較では、紙製緩衝材が有利になるケースが多くあります。
環境性能
紙製緩衝材は再生可能資源である木材を原料とし、使用後は古紙としてリサイクルが可能です。一方、プラスチック系緩衝材はリサイクルに対応していない製品も多く、最終的に埋め立て廃棄されるケースも少なくありません。日本国内でもプラスチック資源循環促進法の施行により、企業のプラスチック削減への対応が義務化されており、紙製への切り替えはその直接的な解決策となります。
近年、消費者や取引先企業の環境意識は急速に高まっており、「梱包材が紙になった」というだけで顧客からポジティブな反応を得るケースが増えています。紙製緩衝材への切り替えは、SDGs対応やESGへの取り組みを対外的に発信する際の具体的なアクションとして活用できます。
実際の活用事例はPALTEKの採用事例ページをご参照ください。

物流業界における環境対応とコスト削減は、一見相反する課題のように思えますが、この2つを両立することは可能です。その一つが適切な緩衝材に変更するという手法です。
本ブログでは、業務効率化のよるコスト削減とSDGsへの貢献を同時に実現できる紙緩衝材ソリューションについて解説します。
3.用途別・紙製緩衝材の選び方

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すき間埋め用途にはFillPak®
FillPak®は、クラフト紙を専用機器で蛇腹状に成形し、箱内のすき間を素早く充填するシステムです。
必要な長さだけ引き出して使えるため、商品サイズや箱の大きさに関わらず柔軟に対応できます。
EC通販・製造業・医療機器など、さまざまな商材で採用実績があります。

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特に「箱の中で商品が動いて破損する」という課題を抱えている場合、FillPak®によるすき間充填が有効な解決策となります。
紙の摩擦力で商品をしっかり固定し、長距離輸送でも荷崩れを防ぎます。
ラッピング用途にはGeami WrapPak®

Geami WrapPak®は、ダイカット加工(切り込み入り)されたクラフト紙を引き伸ばすと3Dハニカム構造(蜂の巣状の網目)が立体的に展開される、ラッピング用途に特化した製品です。商品の形状に沿って密着するため、ガラス製品・陶磁器・精密部品など、複雑な形状の商品も個別にしっかり保護できます。
また、開封した際の美しい仕上がりがブランド体験の向上にも寄与します。ギフト・高級品・越境ECなど、「梱包そのものが顧客体験の一部」となる場面でも高い評価を得ています。

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クッショニング用途にはPadPak®
PadPak®は、クラフト紙を専用機器でクッション状に成形し、商品の上下・周囲を包むクッショニング用途に特化した製品です。
サーバー・精密機器など重量のある商品や、輸送中の振動・衝撃から確実に保護したい商材に適しています。実際にPadPak®を導入したゲットイット様では、保管スペースの大幅削減と梱包時間の短縮を同時に実現しています。
4.切り替えの進め方
現状の梱包資材とコストを洗い出す
まず現在使用しているプラスチック系緩衝材の種類・使用量・単価・年間調達コストを整理しましょう。廃棄コストや保管スペースのコストも含めて可視化することで、切り替えによる削減効果を正確に試算できます。
サンプルで性能をテストする
実際に自社の商材でサンプルテストを行うことが、切り替え判断の最短ルートです。PALTEKではFillPak®・Geami WrapPak®の無料トライアルを提供しています。実際の商品を使って梱包・落下テストを実施することで、現場での使用感や保護性能を事前に確認できます。
一部ラインで試験導入・効果を評価する
サンプルテストで効果を確認したら、まず一部の商品ラインや出荷拠点で試験導入を行い、コスト・作業時間・破損率の変化を測定します。数値で効果が確認できれば、社内での本格導入の意思決定がスムーズになります。
5.まとめ:今こそ緩衝材の見直しを
ナフサショックによるプラスチック系緩衝材の値上げ・供給不安は、地政学的リスクが解消されない限り長期化する可能性があります。原料をナフサに依存しない紙製緩衝材への切り替えは、コストの安定化・供給リスクの低減・環境対応という3つの課題を同時に解決する手段として、今まさに多くの企業から注目を集めています。
PALTEKが取り扱うRanpak社の紙製緩衝材は、すき間埋め(FillPak®)、ラッピング(Geami WrapPak®)、クッショニング(PadPak®)まで、幅広い梱包ニーズに対応しています。
まずは無料トライアルで実際の使用感をお試しください。
本ブログは2026年6月16日に執筆した内容です。

製品カタログ・導入事例をまとめました。
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Ranpak 総合カタログ(製品案内・導入事例)
Ranpak社全製品ラインナップを網羅し、各製品の特長や仕様、活用方法を詳しく解説。
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