Bellnix/ベルニクス
FPGAが低電圧・大電流化することにより、気にしなければならないことの1つは「安定した電源供給」です。
3.3Vのときは600mVあった電圧の許容範囲が、1.5Vになるとわずか150mV・・・。(図1参照)
ICベンダーは、ICを安定して動作させる為に動作条件をこのように厳しく定めております。
VCC INT Maximum Minimum Capability | |||
---|---|---|---|
3.3V | 3.0V | 3.6V | 600mV |
2.5V | 2.375V | 2.625V | 250mV |
1.8V | 1.71V | 1.89V | 180mV |
1.5V | 1.425V | 1.575V | 150mV |
1.2V | 1.15V | 1.2.5V | 100mV |
図1 電圧の下がるにつれ、電圧許容範囲も狭くなっている。この許容範囲内で安定した電源供給が必要となります。
開発者の方は、ICを選定すると同時に、この厳しい条件で動作させることのできる電源も同時に選択する必要があります。
つまり、全てのICを選択した後に電源を選択するのではなく、ICの選択とほぼ同時期に、電源の選定が必要になってきます。
次に、ICの集積化、高性能化に伴う、もう1つの電源問題があります。
それが、大電流化にともなう、急激な負荷変動です。
急激な負荷変動やボード上のインダクタンスの影響による、ちょっとした電圧降下がICの誤作動を引き起こす可能性があります。(図2参照)
ICのスペックを見て、このような急速な電流変化を起こしうる機能、例えば、データバスインターフェース、メモリインターフェース、CPUインターフェースなど、を特徴としている場合、電源の仕様も、そのICに対応できる性能が求められます。
今までは、カタログスペック上で条件を満たしていれば動作自体に殆ど問題がなかった電源も、急激に狭まる電圧許容範囲内に、安定的に電源を供給させることを意識した性能の良い電源の選択が不可欠となっております。
従来、ディスクリートや三端子で構成することが大半でしたが、この安定したスペックを容易に実現できる「モジュール」化された電源(DC/DCコンバータ)を使用されるケースが非常に多くなってきております。