【カメラシステム開発者必見】ティアフォー製のC1カメラがWindows 環境/Linux環境に接続できるGMSL2-USB3変換キットについて調べてみた
皆さん、こんにちは。
株式会社ティアフォー(以下TIER Ⅳ)が昨年リリースしたロボット、モビリティに最適な車載品質HDRカメラ「C1カメラ」のGMSL2-USB3変換キットがリリースされました。
今回は、この製品について紹介したいと思います。
本編に入る前に、TIER Ⅳについて少しご紹介します。
TIER Ⅳは、Pilot.AutoやWeb.Autoなど自動運転用オープンソースソフトウェア(OSS)「Autoware」をベースとした自動運転ソフトウェアプラットフォームを開発・提供している会社です。
それでは、始めましょう。
目次
「C1カメラ」について
TIER Ⅳが提供している「C1カメラ」は、屋外で使用するカメラに最適なワイドダイナミックレンジ(120db)で、夜間撮影などに便利な高感度カメラです。
周囲温度も-40~85℃に対応し、防塵防水性能はIP69Kに対応しており、1台から購入可能な市販品カメラとしてはロボット、モビリティ分野に最適なカメラです。
今回はGMSL2信号をUSB ビデオクラスに変換する「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」について紹介します。
「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」とは
GMSL2信号をUSB ビデオクラスに変換するアダプタです。このアダプタを組み合わせることで「C1カメラ」がUSBポートを介してWindows環境やLinux環境に接続でき、カメラ映像を評価する上で大変便利になりました。
図1.「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」製品写真
「C1カメラ」の接続例
従来の「C1カメラ」はGMSL2規格でカメラ映像出力するため、GMSL2デシリアライザに対応した受信基板が必要になります。 (Mini FAKRAコネクタとCOAXまたはSTPケーブルで接続 図2参照)
図2. C1カメラとの接続例
図3は「TIER IV GMSL2-USB3.0 変換キット」を中継し、PCに接続した例になります。プラグアンドプレイで接続ができ、WEBカメラ感覚でご使用できます。
図3. C1カメラとUSB3.0変換キットの接続例
TIER Ⅳでは「C1カメラ」のブラケットも販売しています(品名:C1-BKT-M2-04)。
図4のように三脚で固定する場合、あった方が便利です。
図4. Windows PCにC1カメラを接続(USB変換キット使用)
図5にあるPCと接続するUSBケーブル(Type-CからType-A変換)は別売りです。ご注意ください。
図5. Windows PCにC1カメラを接続(USB変換キット使用)
「C1カメラ」とGMSL2-USB3変換キットをつなぐケーブルは3種類(2m、5m、10m)用意しています。
品名 | |
2m品 | 1-F-FAK-1-F-FAK-02 |
---|---|
5m品 | 1-F-FAK-1-F-FAK-05 |
10m品 | 1-F-FAK-1-F-FAK-10 |
Windows PCに接続する場合、以下URLにデバイスドライバインストール方法が公開しています。
https://tier4.github.io/camera_docs/usb_convert_jp/
v4l2カメラ
Linux環境(Ubuntu)で使用する場合、v4l2_cameraとして使用でき、パラメータ変更が可能です。
https://github.com/tier4/ros2_v4l2_camera
Windows環境で使用する場合はパラメータ変更ができません。ご注意ください。
「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」外観
フロント側には
- ・
- 「C1カメラ」と接続するFAKRAコネクタ(GMSL2)インタフェース
- ・
- リセットボタン
- ・
- モード切替スイッチ
があり、
PCと接続するリア側には
- ・
- USB Type-Cインタフェース
- ・
- IO Port
があります。
Windows PCに映像を表示するだけであればデフォルト設定になっている【Free Run Mode】でご使用ください。
【トリガモード】を使用したい場合、
https://tier4.github.io/camera_docs/usb_convert_jp/
をご参照ください。
トリガモードは「C1カメラ」ではトリガ信号を送信したタイミングに応じてシャッターが開き(露光を開始)、ISPで設定される露光時間後にシャッターが閉じます(露光を終了)
図6.「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」外観イメージ
AMD社Kria™と接続
自律移動ロボット(AMR)や各種モビリティ開発に最適な「C1カメラ」は「TIER Ⅳ GMSL2-USB3.0 変換キット」を使用することでAMD社のKria™とも接続できます。
AMD社のKria™ SOMはエッジ運用に最適な量産対応 のシステムオンモジュール(以下SOM)で、Ubuntu搭載、ROS2搭載、物体検知、Visual SLAM、推論モデルなど様々なキーファンクションを搭載できます。Kria™を運用することで開発がシンプルになります。
https://japan.xilinx.com/products/som/kria.html
図7. TIER Ⅳ社C1カメラとAMD社Kria™ SOM
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今後、弊社では「C1カメラ」とAMD社Kria™を組み合わせたソリューションなどを検討していく予定です。
C1カメラやCMSL2-USB3変換キットに関する価格見積やご相談については以下よりお問い合わせください。