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メモリ基本講座【番外編】「NVMe GEN4 SSD 7450」のパフォーマンスを評価してみた【第1回】

メモリ基本講座【番外編】「NVMe GEN4 SSD 7450」のパフォーマンスを評価してみた【第1回】

本ブログは、2部構成でMicron社の最新SSDである「NVMe Gen4 SSD 7450」のSSD単体とRAID5、RAID10の構成でパフォーマンスの違いがどのくらいあるかについて確認します。そのうえで、評価結果についてセキララにお伝えしたいと思います。なおRAIDはmdadmで構築し、構築方法も含めて説明します。

第1回の今回は「NVMe Gen4 SSD 7450」のSSD単体評価についてお伝えします。

目次

「NVMe Gen4 SSD 7450」はどんなSSD?

Micron社より176層3D TLC NANDが搭載された、NVMe Gen4対応の7450がリリースされました。
フォームファクタはU.3、E1.S、M.2をサポートされており、Enterprise/データセンター向けにパフォーマンスとコストのバランスが取れたSSDとなります。

パフォーマンスについては表1および表2をご参照ください。

表1. 7450のスペック


表2. 7450の機能

「NVMe Gen4 SSD 7450」の紹介については今回ここまでとしますが、さらに詳しい情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。

NVMe Gen4 SSD 7450」の単体評価

評価対象SSD

今回は以下のNVMe Gen4 SSD 7450を評価しました。

7450MAX 3.2TB
7450PRO 3.8TB、7.6TB、15.3TB

このSSDを選定した理由は、単体評価ならばDriveの本数は関係ないので、社内にある検証機を一通り確認しようと思ったからです。
余談ですが、評価対象SSDは弊社にて検証機を準備しています。“評価したい”とのご希望がありましたら、検証機のお貸出しができますのでお気軽にお問い合わせください。

評価するサーバ

弊社で所有している検証機サーバで評価しました。

表3. サーバスペック

サーバ Supermicro AS-2024US-TRT
CPU AMD EPYC 7302 3.0GHz 16 Core
メモリ DDR4-3200 128GB
OS Ubuntu 20.04

図1. AS-2024-US-TRT

パフォーマンス測定ツール

今回のSSDのパフォーマンス測定では、fio-3.16を使用しました。

図2. fioのバージョン

fioのコマンドオプション

今回はシンプルに実力値を確認するため、以下の条件で測定しました。

表4. fio測定条件

アクセス方法 ランダムリード、ランダムライト
ブロックサイズ 4KB
QD 1
測定時間 12,000ms

図3. fioのコマンド

ワンポイントレッスン

今回のパフォーマンス測定は「実力値」というテーマのため、QD1で測定しています。

QDとは、Que Depthのことで、ストレージが一度に処理できるI/Oの処理数になります。
もっと分かりやすくに説明すると、同時に発行される命令の数で、例えばQDを64と設定すると、64個の命令を同時発行することになります。
今回は1個の命令でどの程度のパフォーマンスがでるか?を確認しています。

QDで設定できる値はNVMeの規格として最大65,536までサポートできますが、実際は各社のSSDによって異なり、7450は256まで設定することができます。

QDはストレージのパフォーマンスチューニングの項目になり、高いパフォーマンスを求める場合は設定した方が良い値となります。QDの設定値は低すぎても、高すぎてもダメですが、特に推奨値などはありません。
最適値はシステム環境等によって変わってきます。
Micron社の場合、データシートのスペックを測定する場合は、表5の条件で測定しています。

表5. 7450 データシートスペック測定時のQD

アクセス方法 QD
シーケンシャルリード 32
シーケンシャルライト 32
ランダムリード 256
ランダムライト 128

「NVMe Gen4 SSD 7450」をfioで測定してみる

fioのコマンド実行

以下のコマンドを実行し、fioでパフォーマンス測定をします。

左右にスクロールしてご覧ください
fio xxxx.fio --output xxxx.csv --output-format=terse --status-interval=1

xxxx.fio は図3で表示したコマンドが記載されたファイルになります。

fioのコマンドオプションについては、詳しい説明は割愛させていただきますが、今回は1秒ごとにパフォーマンス値をプロットしています。また、測定結果はcsvファイルに出力されるため、結果をまとめるのに非常に便利です。

パフォーマンス結果

今回測定した中で、4KBランダムアクセス、QD1で一番パフォーマンスが良かったのは7450PRO 7.6TBになります。このことから、7450PRO 7.6TBがAIやデータベース等のランダムアクセスがメインのアプリケーションに最適ということが分かりました。

まとめ

今回は実力値を測定したため、かなりリアルな結果をお伝えしました。この結果は弊社にとっては不利になるかも?と思いますが、あえてこの結果をお伝えしてみよう!と思いブログ化に至りました。
実運用時はRAIDを構築したり、QDやBlock Sizeをアプリケーションに合わせてカスタマイズしたり等、今回の評価とは違った構成になると思います。そのため、この結果はあくまでも参考値として見ていただければと思います。

また、改めてNVMe SSDについて知りたい!と思った方は、以下のブログを参照してください。

さて、次回ですが、RAID5、10を構成したときのパフォーマンス比較結果をセキララにお伝えします。

 

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