エンジニア必見!NVMeパフォーマンス測定結果公開 CPUの違いでパフォーマンスに差は出るのか!?【メモリ基礎講座 番外編】

前回、メモリ基本講座で「NVMeとは何ぞや」というテーマで、NVMeについてお伝えしました。今回はNVMeのパフォーマンスについての資料を準備しましたので、気になる方はダウンロードしていただければと思います。
このNVMeというキーワードは、ここ1~2年で耳にする機会が多くなってきました。
しかし、実際にNVMeを用いた構成でシステム検討されるケースはSATAに比べると、まだ多くないのが現実…。
そこで、今回はまずNVMeとSATAの違いについてお伝えします。
そして、株式会社トゥモロー・ネット様にご協力いただき、CPU別にNVMeのパフォーマンス検証を行いましたので、その資料をダウンロードしていただけるように準備しました。
皆さまのNVMe製品検討に向けて少しでもお役に立てればと思います。
目次
NVMeとは
NVMeについて簡単に説明すると、以下4点にまとめることができます。
- ・半導体デバイス用に設計された通信プロトコルのことである
- ・ディスクアクセスのメッセージが最適化されている
- ・同時処理数のキュー数が大幅に向上し、複数のアクセスが可能になっている
- ・ハードウェア インターフェースがPCI Expressであるため、さらに高速化できる
NVMeでは、SATA/SASに比べてディスクアクセスのメッセージが最適化されているため、同じ内容の処理が少ないメッセージですんでしまいます。
また、同時処理用のキューの数も大幅に増え、複数の同時アクセスが対応可能となりました。
そのうえPCI Expressと直接接続できるため、今後もPCI Expressのレーン数と転送速度が速くなれば、それに応じて速さを追求することができます。
これだけ見ると、いいこと尽くし!?ですね。
NVMeの基本についてもう少し詳しく知りたい方は、 メモリ基本講座 「 NVMeとは何ぞや?」 を一度読んでみてください。
SATAとは
NVMeと比較されることが多いSATAについて、少し説明したいと思います。SATA(シリアルATA、サタ)とは、SCSIやPATA (パラレルATA) にかわって主流となった規格で、コンピュータにHDD、SSD、光学ドライブを接続するためのインターフェース規格になります。身近な製品だとパソコンやTVのレコーダなど、今でも多くの製品にSATAが用いられています。
SATAにはSATA、SATAⅡ、SATAⅢの3つの規格があり、いずれも互換性があります。
現在、多く使用されているのは、SATAⅢになります。
規格 | 実行速度 | 概要 |
---|---|---|
SATA | 150MB/s | IDEでは複数の線でデータを並行して転送していたが、SATAから1本の線で連続してデータの転送を行う |
SATAⅡ | 300MB/s | NCQ、AHCIの機能が新たに追加 |
SATAⅢ | 600MB/s | ホットプラグ機能が新たに追加 |
ちなみに、SATAの物理層では8b/10bエンコードを行うため、データリンク帯域は物理レートの80%になります。表1の実行速度はそれを考慮した値となっています。
NVMeとSATAとのパフォーマンス比較
では、実際、どのくらいのパフォーマンス差があるのでしょうか。
ここは、Micron SSDのデータシートスペックで比較してみましょう。
今回はSATA、NVMeのPCI Express Gen3とGen4の3種類比較しました。
SSD | 5300 PRO | 7300 PRO | 7450 PRO |
---|---|---|---|
I/F | SATA | NVMe 1.3 / PCI Express Gen3 x4 |
NVMe 1.4/PCI Express Gen4 x4 |
容量 | 3.8TB | 3.8TB | 3.8TB |
Seq Read※1 | 540 MB/s | 3,000 MB/s | 6,800 MB/s |
Seq Write※1 | 520 MB/s | 1,900 MB/s | 5,000 MB/s |
Rand Read※2 | 95,000 IOPS | 520,000 IOPS | 1,000,000 IOPS |
Rand Write※2 | 34,000 IOPS | 95,000 IOPS | 180,000 IOPS |
※1 Sequential access 128KB transfer
※2 Random access 4KB transfer
パフォーマンス差は見て分かる通り、大きく違います。特にSATAとNVMe PCI Express Gen4はSequential Readで約12倍の差があります。また、NVMe PCI Express Gen3とGen4でも約2倍の差があり、今後、Gen5製品なども企画されているため、更なる高速化が見込まれます。
NVMe導入事例
実際にどのようなアプリケーションでNVMeが採用されているか、ここではトゥモロー・ネット様や当社での導入事例を紹介します。
NVMeで良く検討していただくアプリケーションとしては、下記の3点になります。
- ① キャッシュサーバ
- ② 100TB以上の膨大なログ解析用サーバ
- ③ 仮想環境用のストレージキャッシュ
まず1つ目は、当社のお客様でも採用事例が多くあるキャッシュサーバです。例えば、大量のユーザにコンテンツを配信するようなWebサービスで、ユーザからのリクエストに対するレスポンスを向上させるためにNVMeを活用している例があります。
2つ目は、大量のログを解析するためのサーバです。ディープラーニングなどの高度な処理のために、NVMeの利点である同時高速アクセスが活かされます。
3つ目は、仮想環境のストレージキャッシュ領域です。サーバ上に作られる仮想環境ですが、ドライブにNVMeを用いることで、利便性や体感上のレスポンスの向上が期待できます。
このように、ドライブのリード、ライトの高速化は様々なシステム恩恵があることが分かりましたね。
CPUパフォーマンス測定
今回はトゥモロー・ネット様にご協力いただき、Supermicro社製のPCI Express Gen4対応のA社CPUが搭載されたサーバと、PCI Express Gen3対応のI社CPUが搭載されたサーバとのパフォーマンス比較をすることを目的に、パフォーマンスを測定してみました。
パフォーマンス結果について資料にまとめましたので、こちらからダウンロードしてご活用ください。
ダウンロード資料に関する目次
- 目次
-
- I社検証環境
- A社検証環境
- 評価結果
シーケンシャルアクセス結果
ランダムアクセス結果 - まとめ
最後に、今回の検証にご協力いただいた、トゥモロー・ネット様のご紹介です!

- サーバ出荷実績が年間3,000台以上で、大手データーセンターに多くの実績があり、技術力に定評がある株式会社トゥモロー・ネット様と協業しております。 キッティング・保守サポートも安心してお任せください。
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