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メモリ基本講座【番外編】IPMIについて

メモリ基本講座【番外編】IPMIについて

本ブログは、サーバを管理する上で今では必要不可欠となったIPMIについてお話します。
IPMIは、データセンターやサーバの運用管理で広く利用されており、サーバの遠隔監視や制御を行うために重要なツールとなっています。

目次

IPMIとは?

IPMI(Intelligent Platform Management Interface)とは、コンピュータシステムやサーバのリモート管理と監視を行うために標準化されたハードウェア管理インタフェースおよびプロトコルのことです。
1998年にIntelが提唱を始めた規格で、今では多くのサーバベンダーがサポートしています。

IPMIをサポートするサーバベンダーで代表的なものは、HPE社のiLO、Dell社のiDRAC、IBM社のIMM、富士通のiRMCそしてSupermicro社のBMCなどです。
今回は弊社の所有する以下のSupermicroサーバのBMCについて紹介していきたいと思います。

表1. サーバスペック

サーバ Supermicro AS-2024US-TRT
CPU AMD EPYC 7302 3.0GHz 16 Core
メモリ DDR4-3200 128GB
OS ubuntu 20.04.1 LTS

図1. AS-2024-US-TRT

BMCについて

IPMIを利用するためにはBMC(Baseboard Management Controller)というチップセットが必要になります。
BMCはマザーボード上に実装されていて、システムの主要なリソース(CPU、メモリ、ストレージ)を直接利用しないように設計されています。また、BMCはサーバ本体とは異なる電源回路から電力供給を受けているため、サーバ電源にコンセントがささっていれば動作可能となっています。
さらに、BMCは独立した専用のEthernetポートから接続するため、監視・管理のためのネットワーク帯域が不要で、ネットワーク速度に影響を与えることがありません。

図2.は弊社が所有するサーバのマザーボードのシステムブロック図で、ASPEED社の「AST2500」というBMCが搭載されています。

図2. マザーボードのシステムブロック図

IPMIの操作画面

今回は弊社が所有するSupermicroサーバのBMCを使ってIPMIの操作画面の一部を紹介します。

リモート制御

BMCはサーバのリモート制御を可能にします。これには、サーバの電源のオン/オフ、リセット、シャットダウンなどの操作が含まれます。これにより、物理的にサーバにアクセスできない場合でも、BMCを介してサーバの制御が可能です。図3.のようにSupermicroサーバのBMCでもパワー制御でこれらの操作が可能です。

図3. BMCのシステム画面

リモート監視

BMCはサーバやハードウェアの状態をリアルタイムで監視します。これは、CPUの温度、電圧、ファンの回転数、電源供給の状態など、さまざまなセンサーデータが含まれます。
SupermicroサーバのBMCでも監視を行っており、異常がない状態は左端が緑で表示されStatusが「normal」と表示されます。異常がある場合は左端が赤となりStatusの欄に各センサーの状態が表示されます。

図4.の場合だとChassis Intruというセンサーの左端が赤になっていますが、これはサーバ本体の上蓋が空いた状態を意味しているため、Statusには何も表示されません。

図4. BMCのセンサー読み取り画面

アラートと通知

BMCでは電子メール通知をサポートしており、各センサーで発生した故障などの異常をAlert Levelごとに指定されたメールアドレスに通知メールを送信します。これにより、問題が発生した際にすばやく対応することができます。

図5.のようにSupermicroサーバのBMCではアラートの設定が16まで登録できて、Alert LevelはDisable All、Informational、Warning、Criticalから選択できます。Addressに登録した管理者にメールを送信することができて、Alert NoでどのAlert Levelかを識別することができます。

図5. BMCのアラート設定画面

イベントログ

BMCはイベントログを維持し、システムの重要なイベントやトラブルの履歴を記録します。
これにより、問題のトラブルシューティングやセキュリティ監査が容易に行えます。

図6.はSupermicroサーバのBMCで確認できるイベントログです。弊社のSupermicroサーバでは重大度がクリティカルの「General Chassis Intrusion - Assertion」というログが出続けていますが、これはサーバの蓋が空いた状態という意味のログですので、特に問題はありません。

図6. BMCのイベントログ画面

リモートコンソールアクセス

BMCはリモートコンソールアクセスを提供し、サーバやコンピュータの操作画面にアクセスできます。
これは、サーバがオフラインの場合や、ネットワーク経由でトラブルシューティングを行う必要がある場合に便利です。

図7.はSupermicroサーバのBMCによるリモートコンソール接続画面で、図8.は実際に接続した画面です。

図7. BMCのリモートコンソール起動画面

図8. BMCよりリモート接続した画面

まとめ

IPMIは、データセンター環境や遠隔地のサーバの管理に不可欠なツールとして利用されています。特にサーバの運用監視、障害復旧、セキュリティ管理、リモート管理などの用途で重要な役割を果たします。異常な状態の検出やメールでの通知、リモート制御など、IPMIの機能はシステム管理者にとって非常に有用です。

しかし、IPMIを利用するためにはBIOS管理画面からIPアドレスを設定する必要があり、デフォルトの管理者権限のユーザ名とパスワード、WEB-UIはサーバベンダーごとに異なっているため、各ベンダーに事前に確認しておく必要があります。

ベンダーに依存することが多くなったIPMIに変わり、新たな標準規格としてDMTF(Distributed Management Task Force)により開発されたRedfishへの移行も検討され始めています。このRedfishについては、またの機会にご紹介できればと思います。

今回ご紹介したIPMI機能を搭載したサーバは弊社でも取り扱いがございますので、ご興味を持たれた方はお気軽にお問合せください。

 

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