FPGAの置換(Spartan®-6 FPGA ファミリ)第3回(置換時のSelectIO™移行注意点)
世界的な半導体の供給不足等で設計開発に影響が出ています。
AMD ザイリンクス社でも、Spartan®-6 FPGA ファミリの入手が困難になっています。
FPGAの置換(Spartan®-6)の第3回では、置換時のSelectIO™移行注意点をお伝えします。
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目次
それでは始めましょう。
SelectIO™のプリミティブ
I/Oプリミティブでは、利用できる様々なI/O規格があります。
基本的なプリミティブを以下の表に示します。
(Spartan®-6 FPGA ファミリ、 7シリーズ FPGAの共通)
シングルエンドI/O規格
入力バッファ(IBUF/IBUFG) | 出力バッファ(OBUF) |
---|---|
トライステート出力バッファ(OBUFT) | 入力/出力バッファ(IOBUF) |
※画像クリックで大きな画像が表示されます。
出典:7 Series FPGAs SelectIO Resources UG471 (v1.10)
https://japan.xilinx.com/content/dam/xilinx/support/documentation/user_guides/ug471_7Series_SelectIO
(参照2022-06-30)
差動I/O規格
差動入力バッファ (IBUFDSおよびIBUFGDS) |
動出力を持つ差動入力バッファ (IBUFDS_DIFFOUTおよびIBUFGDS_DIFFOUT) |
---|---|
差動出力バッファ(OBUFDS) | 差動トライステート出力バッファ (OBUFTDS) |
差動入力/出力バッファ(IOBUFDS) | |
※画像クリックで大きな画像が表示されます。
出典:7 Series FPGAs SelectIO Resources UG471 (v1.10)
https://japan.xilinx.com/content/dam/xilinx/support/documentation/user_guides/ug471_7Series_SelectIO
(参照2022-06-30)
7シリーズのバンク構成
7シリーズでは、ハイパフォーマンス(HP)バンクとハイレンジ(HR)バンクがあります。
HPバンクは、最大1.8Vまでの高速メモリインタフェースを満たすように設計されています。
7シリーズのバンク構成
HRバンクは、最大3.3Vまでの幅広いIO規格をサポートするように設計されています。
Spartan®-7 FPGA、Artix®-7 FPGAには、上記で述べているHPバンクはありません。
HRバンクのみの構成となります。
7シリーズとは
Spartan®-7 FPGA、Artix®-7 FPGA、Kintex®-7 FPGA、Virtex®-7 FPGA ファミリのこと
SelectIO™の信号規格について
Spartan®-6 FPGAで使用できていたIO規格が7シリーズ または Artix® UltraScale+™ FPGA ファミリで使用できない場合があることに注意が必要です。
詳細は、各デバイスのデータシート参照ください。
以下にSpartan®-6と比較したIO規格の表を示します。
上記表より「LVDS_33」は、7シリーズ または、Artix® UltraScale+™ FPGA ファミリではサポートされていないことが分かります。
HRバンク、HDバンク、HPバンクいずれも、VCCO端子に3.3Vの給電はできません。
補足
VCCO=1.8VでなくてもHPバンクのLVDS入力は許容されますが、出力側は1.8Vで給電されるバンクのみで使用可能となります。
同様に2.5Vも同じで、VCCO=2.5VでなくてもHR or HDバンクのLVDS入力は許容されますが、出力側は2.5Vで給電されるバンクのみで使用可能となります。
DIFF_TERM属性=FALSEとし、外部差動終端抵抗(100Ω)を行う必要があります。
デザイン環境のインタフェースが必須で、使い方によっては基板の構成にも影響があります。ご注意ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考資料
7 Series FPGAs SelectIO Resources UG471 (v1.10)
Spartan-6 FPGA SelectIO Resources UG381 (v1.7)
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