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FPGAの置換(Spartan®-6 FPGA ファミリ)第2回(置換可能なデバイス選定:デバイスパッケージ編)

FPGAの置換(Spartan®-6 FPGA ファミリ)第2回(置換可能なデバイス選定:デバイスパッケージ編)

世界的な半導体の供給不足等で設計開発に影響が出ています。
ザイリンクス社でも、Spartan®-6 FPGA ファミリの入手が困難になっています。
第1回のTECHブログでは、FPGAの置換前に検討すべきこと、Spartan®-6 FPGAファミリの各デバイスと比較、選定基準について、Spartan®-6と置換可能デバイスの比較表など Spartan®-6 FPGAファミリから置換可能なデバイス選定について解説しました。

第2回は 前回の続きで、デバイス選定に必要な Spartan®-7 FPGA ファミリ、 Artix®-7 FPGA ファミリ の利用可能なパッケージについてお伝えします。
Spartan®-7 FPGA ファミリ はHRバンクのみの構成となります。

目次


それでは始めましょう。

Spartan®-7 FPGA ファミリのパッケージ


・Spartan®-7のロジックアーキテクチャはSpartan®-6のロジックアーキテクチャとほぼ一致しているため、Spartan®-6で作成されたデザインのほとんどはSpartan®-7への移行は簡易です。

・BRAMは、Spartan®-6では18Kbまたは2x9Kb、Spartan®-7では36Kbまたは2x18Kbとなっています。

・I/Oバンクは、Spartan®-6では30~120ピンのバンク構成、Spartan®-7では50ピンのバンク構成となっているので信号の接続に注意が必要です。

Artix®-7 FPGA ファミリのパッケージ


・Artix®-7のロジックアーキテクチャはSpartan®-7と似ていますが、トランシーバーが搭載されています。

・トランシーバーについて、Spartan®-6のトランシーバーPLLはTx/Rxは同じPLLを使用する必要がありましたが、Artix®-7ではTx/Rxを異なるクロックを使用でき、PLLはTx/Rxをそれぞれで駆動できます。

・7シリーズのデバイスは、Spartan®-6より優れた電力プロファイルを備えています。Spartan®-7またはArtix®-7、Artix® UltraScale+™のI/Oはホットスワップをサポートしていないため、これらの電源モードをサポートするには、特別なボード/システムレベルの技術を考慮した設計(検討)が必要となります。


・Spartan®-6は設計ツール ISE® Design Suite を使用し、7シリーズ(Spartan®-7、Artix®-7など)はVivado® Design Suiteを使用する必要があり、ツールの環境を整える必要があります。

電源電圧について

以下の表はSpartan®-6をベースに各デバイスで必要とする電源電圧になります。


表を参照いただくと、コア電源、バッテリ電源等、Spartan®-6との違いがあります。
そのため、電源系の設計、部品選定含め、基板設計を行う必要があります。

FPGAの電源投入シーケンス、断シーケンスについては、データシート参照ください。

コンフィグレーションについて

Spartan®-7、Artix®-7では、Spartan®-6と比べて、データサイズ(bit stream)が異なりますので、Spartan®-6で使用していたFlashROMが使用できない場合があります。


対応するメモリサイズの表になります。


上記より、選定したFPGAデバイスに合わせてコンフィグレーションメモリ(FlashROM)容量に注意してください。


次回は、SelectIO™など、電気的特性について記載する予定です。
最後までご覧いただきありがとうございました。


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