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【MPS社】無償シミュレーションツール「MPSmart」を使ってみよう!

【MPS社】無償シミュレーションツール「MPSmart」を使ってみよう!

みなさん、こんにちは。

本ブログでは、MPS社が無償で提供しているシミュレーションツール「MPSmart」についてご紹介します。

「MPSmart」は、スイッチング電源回路の高速シミュレーションで定評のあるSIMetrix / SIMPLISをベースに開発されたツールです。
回路図のキャプチャー機能、波形の表示と分析機能を備えており、さまざまな回路図モデルがMPS社から提供されています。具体的には、定常状態波形解析、AC解析、ダイオード特性解析など、幅広い種類のシミュレーションが可能です。

さらに、FETやダイオードなどの汎用マクロモデルが豊富に用意されているため、電源回路設計を効率的に行えます。

「MPSmart」を製品開発に活用することで、開発の初期段階から設計の検証や改善を行うことができ、後工程での問題発生リスクを最小限に抑えられます。また、実験の事前検討にも役立ち、試行錯誤のコストと時間を大幅に削減できます。

本ブログでは、初心者の方向けに「MPSmart」のインストールからシミュレーションの作成について解説していきます。シミュレーションツールの活用方法に興味がある方は、ぜひご覧ください。

それでは始めましょう!

目次

MPSmartのインストール

「MPSmart」はMPS社のWEBサイトからダウンロードすることが可能です。
こちら (以下MPSサイトへリンクしています)から無料でダウンロードできます。

(出典: https://www.monolithicpower.com/jp/mpsmart-v9.html

サイトにアクセスし、ダウンロードページからインストーラーをダウンロードしてexeファイルを開きます。
(ファイル名:MPSmart_V9.10g.exe)

ライセンスに関する同意書が表示されますので、記載内容を確認のうえ“Install”を押します。

(出典:MPSmart)

インストールが完了したら、以下のようなアイコンがデスクトップに生成されました。

以上の工程で「MPSmart」のインストールが完了しました。

MPSmartの基本操作

では、ここからは「MPSmart」の起動からシミュレーションまでについてお話します。

「MPSmart」を起動するとメインウィンドウが表示されます。このウィンドウが作業の中心となります。画面左側にはモデル構造の編集エリアがあり、ここでシミュレーションモデルを構築していきます。

(出典:MPSmart)

ライブラリからモデルに必要なパーツをドラッグ&ドロップで配置し、パーツ同士を線で接続することでモデルの構造を作っていきます。画面右側にはプロパティの設定エリアがあり、選択中のパーツに関する詳細な設定を行えます。パラメータ値の入力や、ポート接続の設定など、モデル作成に必要なさまざまな調整ができます。

また、メインウィンドウの上部にはメニューバーがあり、ファイル、編集、ビューなどの一般的な機能が用意されています。メニューはカスタマイズ可能です。ツールバーにも主要な操作のボタンが並んでおり、よく使う機能に手早くアクセスできます。モデル作成中はツールバーの活用が便利でしょう。

シミュレーションの操作については、File Viewウィンドウ=>Example-91=> SIMPLIS=>MPSの順にフォルダを開いていきます。フォルダを開きシミュレーションしたいICを選択していきます。

資料ダウンロード

MPS社 MPSmartについて資料にまとめましたので、ダウンロードしてご覧ください

MPSmart 簡易マニュアル(Rev.3.0)

目次

  • シミュレーションについて
  • 準備
  • 実行の流れ
  • 回路図作成
  • ・手順
  • POP解析
  • ・解析方法
  • AC解析
  • ・解析方法
  • Transient解析
  • ・注意点
  • ・平均化等の処理
  • ・ポイント数の違い
  • ・効率解析

まとめ

いかがでしたでしょうか。
「MPSmart」を使用することで簡単な操作でシミュレーションできることをご理解いただけたかと思います。

「MPSmart」は無償ながら、本格的なシミュレーションが可能な高機能ツールです。
直感的な操作性と豊富な機能が特長で、モデル構築からシミュレーション実行、結果解析に至るまで、ワンストップで行えます。

「MPSmart」を製品開発に活用すれば、開発の早い段階から設計の検証や改善を行え、リスクを最小限に抑えられます。試作を重ねる必要がなくなり、手戻りのコストを大幅に削減できます。また、研究開発の現場でも有力なツールとなり得ます。製品の動作検証はもちろん、新規の理論や概念の検証にも役立てられます。

本ブログで解説した内容を参考に、ぜひ「MPSmart」を使ってみてはいかがでしょうか?

少しでも参考になれば幸いです。
最後までご確認いただきありがとうございました。

PALTEKではMPS製品をお取り扱いしています。
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