MPS電源デバイスの書き込み【第2回】~ソフトで設定できるパラメータ編~
皆さん、こんにちは。
既存の電源デバイスでは、電源の投入順や必要な電圧、基板サイズの小型化、部品数の削減などが実現できない場合があります。このような場合には、プログラム可能な電源デバイスを使用することが考えられますが、その場合には慎重な検討が必要です。
本ブログでは、3回にわたりMPS社の電源デバイスの書き込みに関して説明します。
今回は前回 MPS電源デバイスの書き込み【第1回】~書き込み手順編~ の続きで、記載しきれなかった "MPM54304"のパラメータについて記載したいと思います。
すべてではなく、よく使用する構成になります。
それでは、始めましょう。
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目次
はじめに
今回使用している電源デバイスでは、出力4系統(2系統ずつで出力を束ねること可能)となります。なお詳細については、デバイスのデータシート参照をお願いします。
電源構成
電源構成として以下の4種が実現できます。
設定について
以下の図は、Virtual Bench Pro 3.0のキャプチャ画面となります。
赤枠がパラメータを設定箇所になります。
Buck1の窓では、Vout1のみの設定画面になります。
Buck2の窓では、Vout2のみの設定画面になります。
Buck3の窓では、Vout3のみの設定画面になります。
Buck4の窓では、Vout4のみの設定画面になります。
Systemの窓では、システム系の信制御になります。
以下に、設定する項目として注意するパラメータに、赤枠をつけています。
Vout1のパラメータ一覧
立ち上がり開始時間、出力電圧の設定などが可能です。
Systemのパラメータ一覧
出力を束ねる設定などが可能です。
Soft Start Delay | 立ち上がり開始位置遅延 | ENが入力後、出力の立ち上がり開始位置の設定(立ち上がりシーケンス) |
---|---|---|
Vout_Select | directly 1/3 feed |
V_Refの倍率(x1) V_Refの倍率(x3) |
V_Ref | 550m~1820mv |
出力電圧でVout_selectと関係しています。 ・2.5V出力の場合、 V_Ref=830mV、で1/3 feedとする 830mV X 3 = 2490mV ・3.6V出力の場合、 V_Ref=1200mV、で1/3 feedとする 1200mV X 3 = 3600mV ・0.85V出力の場合、 V_Ref=850mV、でdirectlyとする 850mV X 1 = 850mV |
I2C Slave Address | 00h~1Fh | ユーザー側で設定 |
Parallel_1 | Parallel mode Non Parallel mode |
CH1-CH2を束ね出力 CH1-CH2を個別出力 |
Parallel_2 | Parallel mode Non Parallel mode |
CH3-CH4を束ね出力 CH3-CH4を個別出力 |
おわりに
いかがでしたでしょうか。
V_refの値は、例として記載していますが、実際の構成に合わせてください。
実現するために、パラメータ設定の検討の一部として、参考にしていただけたらと思います。最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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